すべてのおすすめ
いつも目の前に
「もしも」
を二つ用意する
願っていない方の
もしも
だったとしても
驚きすぎたり
悲しみすぎたり
しないように
少しでも
耐性を持っていようと
思って
....
めまいがするほど
一度どくんと心臓が跳ねて
膝につけた頬が重い
何度迎えても夏は早足で
あの歌が流れるたび
いないあなたの口笛がついてくる
今も泣けない苦しさで
胸がやぶけそうな ....
君は君にしかわからない
悲しみの空気を読み込んで
そっと手のひらで文字にして逃がす
窓辺にもたれて
涙もこぼさず
僕はこの世界を
少しだけ繋いでいたくて
小さな音で音楽をかけ ....
いっぱい入れると
足りなくて
足りない
足りない
もう
全部要らない
と
箱をひっくりかえして
からっぽ
いっぱいあると
足りなかったのに
何もないと
一つ ....
浴衣に片思いを忍ばせて
ぼうっと光る
夜店の明かりに吸い込まれていく
君は決して
私を待つ人でなく
私は決して
君を待ったりしないと決めていて
今思えば
それだけで
私た ....
生活をここから始めます
一つ約束事
頑張ります
きっと泣きます
くじけます
いつか
隣に誰かいます
知らない街へも
恐れず往きますね
広げて広げて
たくさん愛して
....
たくさん並べた小瓶でも
何故か赤い花ばかりが残った
初夏の風はゆるく
容易く記憶の鍵を解いてしまう
なだめすかすような優しさで
麦茶を半分だけ残して
閉じた瞼に 涙を挟んで留める
....
世界のありったけの明かりに負けず
その人の背中越しに三日月が見えた
一瞬で長い腕がそれを遮る
活路を見出さなくてはね
しっとりした声で
それはそろりと湖底を撫でるよう ....