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ずっと遠くの方を、
水平線が見たかったのに
空との区切りがよくわからない
から

少しだけ背中を丸めた
薄い水色のワンピースから
覗く白い腕が
夏には似合わない
から

ただ黙っ ....
今朝、校舎の前で
無口な少女を見た
目が合うと
少しだけ笑って
そのまま自転車の
静かなスピードで
追い越してった、八時十五分。

無口な少女の
名前を知らない、
先生が出席をとっ ....
無言のまま階段を上がる
放課後。
誰もいない校舎でひっそりと息をしてる僕ら
先生が来るといけないから、と
なるべく音をたてないように
階段を一段一段

手だけを繋いで
まるで心臓がそこ ....
あの子は 静かの森に行ったきり
戻らない
あの子はまだ少女で汚れも知らない
あぁ、ただ戯れてただけ

静かの森は
少女を連れ去ったきり 呼びかけても返事さえない

呼びかけるなら
少 ....
少女が、朝起きだして
足もとで夜の色をした猫の背を撫でる
まだ体温もあがらない内に
手のひらに忍び込む温もりに少し汗ばむ

私の温度ではない、と気づかないまま
薄いカーテンの裾を引く 細く ....
目が覚めても何かと手を繋いでる感覚があった、確かにあの頃は。



拾い集めて繋げた
羽根で決して明日に
辿りつかなかったのは
少し汚れていたせいじゃない


「ひみつ」という言葉 ....
夏の日 帽子を残して
水平線の先が見たいと少女は

夕焼けが水面を染める
裸足で砂を踏みしめると
体温によく似ていることすら
知らないまま

空との区切りが曖昧だから
触れてはいけな ....
朝食は要らない
体と私が切り離されたような
錯覚よりも確かな感覚に
足を捉われながら
歩かなきゃならない

落書きのような歌を聴きながら
心を発しないように気をつける
つぶやいた言葉は ....
想いを残したい、と
言葉を紙きれに書いては
それを二つ折りにする
こうすればいつまでも色褪せない気がするでしょ
とかわいらしく笑うと
今日も君は紙を折るものだから
机の上はいつも君の想いが ....
お月見の日に
呪文のように祈りを囁くと
願いが叶いました

という噂を耳にしたので
信じて囁いてみたところ

私はにんげんになれました

でも気になることがふたつだけ
しっぽとねこ ....
しなもん
 ひとりぼっち
 ミルクティーを入れてみた

しなもん
 いつもよりお砂糖多めに
 甘くしてみた

しなもん
 くるくるくる、と
 まるを書くシナモンスティック

し ....
ほたり ほたりと
 流れていくものは
  私の涙では ありません

手のひらに掬えば
ほんのりと色づいて
これは 紛れもない
星の溶けたものなのですよ

一粒 拾ってごらんなさい
 ....
風が吹けば
どこか知らない場所まで
簡単に飛ばされてしまう

あんなに高かった空さえも
簡単に触れられそう

でも、
空に天井はありませんでした。

と言おうとしたら
声は空気に ....
お昼時 
おなか空いたなぁ、と
声に出してみたら
余計におなかが空いたので
仕方なく
空気を食べる
ばく。
となりの人
   となりの人、名前は知らない
   いつも夜に帰ってくる人
   だからまだ会ったことない
   だってとなりの人が帰ってくる時間
   僕はもう布団の中だから

となり ....
せかいの欠片が落ちていました

落とした人はまだ近くにいたので
「せかいの欠片を落としましたよ」
と声をかけると
「私のではない」
と言うので私が育てることにしました

指先くらいのせ ....
私はその日かごの中にいました
かごの中には私だけしか
ありませんでした

次の日も
私はかごの中にいました
次の日も、その次も
あまりにも
そのようなことが続くので
私は悲しくなりま ....
ひつじを踏んだ  声はなかった
ひつじは足下で  ばたばたしていた
ような気がした

「元気かい」とためしに声をかけたが
ひつじはひどく疲れていたか
もしくは踏まれて不機嫌だったのか
答 ....
佐野権太さんの夕凪ここあさんおすすめリスト(48)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕凪ぐ、から。- 夕凪ここ ...自由詩9*06-7-10
無口な少女のうたう放課後- 夕凪ここ ...自由詩15*06-6-17
横になる、夏。- 夕凪ここ ...自由詩11*06-6-9
静かの森の- 夕凪ここ ...自由詩5*06-5-20
夜色をした猫と眠る少女の- 夕凪ここ ...自由詩6*06-5-13
お話の切れ端- 夕凪ここ ...自由詩11*06-5-1
水平線の先の- 夕凪ここ ...自由詩10*06-4-4
愛を歌うな。- 夕凪ここ ...自由詩2*06-3-31
二つ折りの想い- 夕凪ここ ...自由詩2*06-3-16
しっぽとねこのみみ- 夕凪ここ ...自由詩6*06-3-7
夕暮れに、しなもん- 夕凪ここ ...自由詩4*06-3-5
空に還る- 夕凪ここ ...自由詩6*06-3-4
今日と言う日と明日と夕日- 夕凪ここ ...自由詩2*06-2-28
ばく- 夕凪ここ ...自由詩1*06-2-24
となりの人- 夕凪ここ ...自由詩8+*06-2-23
せかいの欠片の育て方- 夕凪ここ ...自由詩5*06-2-22
空になりたい- 夕凪ここ ...自由詩10*06-2-22
ひつじ踏んじゃった- 夕凪ここ ...自由詩12*06-2-21

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