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どうやらここがとてもとても明日で
透明なはずのここは鈍く曇っていて
上を見上げればちょっと青みがかっていて
(水槽だよな)
なんて
ぼんやりしてみたりもする
息苦しいのはきっと酸欠だから
....
目の前に広がる光景は
ぎらりと反射するガラスだらけのビルのおかげで
わずかに十メートル先で遮られ
その隙間にさえ
絶え間なく人が流れ
流れ
意識の濁流が茹だる暑さで朦朧とする
流れ
流 ....
炭酸水の秘密
それは甘くも無く苦くも無い
人知れず瓶に詰められた溜息
誰かが栓を開けるまで
目にも見えず音も出さず
ただひたすらに待ち続ける
....
感情の表層を抉るように
例えば それは
ビルの谷間を駆け抜ける
横溢する鬱屈のアニマに
放置された
束の間の雨季
羽化しかけの蛹さえ
約束されたその日 ....