つめたい指をしている
と あなたは言って
ふたまわりほど大きな掌で
包みこんでくれた
ゆきうさぎの見る夢は
ほのかに甘い想い出ばかりで
わたしは人のぬくもりに
慣れていないから ....
彩りが白く染められ
輝きが覆い尽くす
秋に重ねるから美しい
君の
季節に染まったほおに
想いが重なれば
雪景色のように
清らかに美しいだろうか
それとも
ただ ....
今日も
トマトが
降っているから
空から落ちてきたものを
食べてはいけません
とは
誰も言っていないから
朝のサラダは
皿を
素直に
差し出すだけで
私たちは
満たされて
形 ....
勉強しよう
勉強して、お金持ちになって、死ぬほど贅沢して。
そして若いうちに死んでしまおう。
心の貧しいヤツさ私は
暑くもない。寒くもない。
あの白い大きなユニフォーム
頭の中でいま揺れている。
ひらひら。ひらひら。
足の先の感覚はとうに痺れていて
遠くの空の青、仰ぎながら
わたしを見ていてと
た ....
例えば猛烈ダッシュのあとに
喉に血のあじ残るのは
空気が針を隠しもち
そっと傷つけおちるから
あなたは針を飲み込んで
苦しまぎれに声を出す
必死に絞り出そうとしても
突き刺さってる針 ....
空が赤くなる頃
見慣れぬ街で
聞きなれたメロディーが耳に届く
どこに住んでいる人も
みんな同じ感情を持ち合わせ
町中に響く
家路のメロディ ....
此の儘 貴方と
二人 狂いもなく
想ったが最期
神の狙い撃ち
千切れる指先
抜けてゆく髪
強く抱き合えば
引き裂かれる反動で
蜘蛛の巣のよう
捕らえられたら逃げら ....
さよなら
今度いつ会えるかわからないね
冷たい雨の…
夕暮れに 高速バス乗り場で お見送り
人がいたから 泣けなかったよ
あなたは私の近くにいない
いつもの場所にふらりと会いに行け ....
僕のお母さんからは ロケットが出るんだ
小さい頃 そう歌ってた記憶がよみがえって来たんだ
作詞も 作曲も 全部僕で
ずっとずっと、歌ってた気がする
僕のお母さんからは ロケットが出 ....
無色パレット掻き回す
意味も理屈も必要無い
空と雲を掻き回す
良い子のフリも今日で終わり
雲のデッサン
空のスケッチ
窓から色が広がって
もっと
もっと
自由な色に
空を染めて
いきましょ ....
少女の手から離れた手まり
土より低い月へところがり
壊れた物のための天国で
機械仕掛けの天使に会う
君のいた夏が終わる
故郷を知らないという君が
旅先で描きためた風景画、
古びたスケッチブック
迫る山並み
水田に映る空
夕暮れの稜線
風に ....
夕刻の代償として
こぼれ始めた 影
あけすけに落ち込んだ明度のわたし
こぼれ始めて
こぼれたら 伸びました
おとなの後ろを跳ねる 少女の脚の
美しい柔らかい ケン・ケン ....
とてもおおきなきもちをひろったので
めいっぱいふくらませて
そらにはなった
おおきなきもちはかぜにのって
たかくたかくまいあがりながら
ますますふくらんで
まちをすっぽりおおったかとお ....
わたしのからだは
出来損ないのモンタージュで
つぎはぎのでたらめの
パッチワークのモザイクで
ちゃんと機能しないもんだから
子宮にできるはずの内膜が
肺にできちゃったりして
月経の時 ....
だれもいない台所でぼくは
ひとりおこわの田吾作弁当を
食べた SOGO地下食料品売り場で
買ってきてもらったものだ うまくも
まずくもなかった 見栄えはいいが
....
地蔵菩薩の前に 立った
声がする
私のものでもあり 私のものでない
声がする
聞こえてくる声と
聞こえない声と
地蔵菩薩の前に 立った
私は
目の前に立つ人に 気づく
手 ....
降る雪は空から戻る天主堂
記念像花火に涙をかざりけり
姉の友達の犬が子供を産んだって…
それが君との出会い
お礼にケーキを渡しただけで
お金なんてかからなかった
君が教えてくれた
犬と暮らすことの喜び
命の尊さ
犬の価値は種類や値段じゃないってこと ....
さかさまに立って泳げば
ほら
世の中も見えてくるだろう
金魚よ
大食漢のろくでなしよ
のうのうと管理された水槽でしか
生きる術を知らぬ阿呆よ
ぼろぼろになりながら
風をさがしている
真夜中のアイス・ココアは
可笑しい程
ひとり
カーテンの隙き間から
誰かが覗いたら
やあ
ひさしぶり
いない人とパーティーをする
君は
許してくれるかい?
ゆる ....
冬
風が商店街の路地で
空から見れば沈殿している
バス停からそれを眺めて
タバコを一服、宙に吐いた
背広を着込むようになってから
時々、神様の音を探して
じっと耳を澄ましてい ....
背中に乗るのは淡い夢
青い空に白い雲
後先なんか気にするか
所詮1枚の紙キレだ
ほんのり涼しい風の中
明日の空は俺の物
気持ちだけは雲の上
天狗の鼻より大きいが
翼の角度の微調整
子 ....
かつて滅びた文明
メソポタミア文明
それが今私の中で蘇る
ホットケーキは石で焼いて
チョコレイトは石で溶かして
ミルクセーキは石で泡立て
「石ばっかりやな」
私とあなたでは意 ....
忘れないようにと
手の甲に書いた文字
『ケッペレペケペケ』
左手の甲にオレンジ色で
『ケッペレペケペケ』
いったいどう言う意味だろう……
けっぺれ?
けっぺ
けっぺ ....
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