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白いレースと
モスグリーンのカーテンの外は
朝焼けの予感
大学校舎の壁に映って
小鳥たちの目覚めをうながす
日本列島幾つの目覚まし時計が鳴るのだろう
....
アルファベットjのような
日本
列島に
ぐんぐん
侵略してくる
台風23号の
暴風圏
15k以上の
突風で
秋雨前線をおしあげる ....
桜の花びらが痛い
速度で
桜吹雪のなかを私は走った
青い湖を抜け
アスファルトの細道を
オフロードバイク
のアクセル吹かし
(鱶ではないが
....
いくらか冷たい墓標の下の
海
さくらがちって
波間に浮かぶ
いちめんの花びら
春でもな ....
ふかあいトンネルを潜りぬけて地層を下る
ちいさな貝殻の明かり
耳の荒野
雨もふらない砂漠地帯だ
草もはえない
さらさらとさらさらと画用紙のように
チリもたたず 砂嵐も ....
いちまいの鴉
が飛んでゆくのは
ふるさとだ
紙切れのように
空気を裂いて
熱いおもいを抱き
鉄橋を越えるのだ
それでも新幹線にはかなわない
遅れてゆくばかりだ ....
まだ早朝で電話もかけられない
おーい宇宙よ
誰かめざめたものはいるだろうか
130億年先からのかすかな光
ぼくは濡れた傘についてかたろうとおもう
台風がそれてきょうはすばらしい秋 ....
機械のような雨・・・・蛇口のような雨・・・・
アスファルトを・・・・草原をたたく雨・・・・
傘から濡れて雨・・・・靴下を毀れる雨・・・・
窓が曇って視界・・・・がみえない路肩・・・・
....
悲しき熱帯
エフリマコ
電線がうつくしいゆうぐれ
バス停には女子大生の列が
ミシンとコウモリ傘のようにできている
みんなちがってみんないい*顔をして
....
西海岸
デビット・ホックニーのやさしい光
斜めにさして きいろい陽だまり
動かないカーテン
と
透明な窓 ....
窓をあければ 外は雨
ぼくには こころの傘がない
雨にうたれる アウトデッキのテーブルと
椅子よ ぼくという関係が
関係の外で アウトロ ....
物片の衝突するときタナトスの涙は燃えて銀河を弾く
欝没と
クリトリスなりき
桃色の宇宙の果てを濡れてゆくもの
ふるふると痺れて
120億光 ....
夏雲のひろがる街よ燃えあがる道路に赤き百日紅の散る
黙々と入道雲の空にたちのうぜんかずらの橙さえる
ここからは道の跡絶えて砂の海絶望までの足跡長し
....
ひとりで唄って
秋桜
つらなる
惑星のなかで
孤立する意識よ
ぼくがあまりにも意識的なので
死は土星のように
都会的な愛 ....
立葵が咲き出すと
もう夏休みがみえてくる
風が透明になって
夏の陽射しがぼ ....
サキは笑った
蛸がパソコンを操り始めたからだ
赤くなって蛸はワードをうちはじめたのだ
蛸はなにが書きたいのだろ ....
ペンキ職人
天野茂典
青いペンキ
台詞のない声
遠くからやってくる海
炎の青空
どこにも出てゆかない砂
ぼくの病棟が乾燥している
シマリスとあそんでいる
ナキ ....