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☆萩原隆詩「氷海」の場合
白い皿の上で
蟹を解体する
節という節をへし折り
甲羅を割り
白い肉をせせり喰う
朱金色の脚の内側を裂き
固いはさみを砕き
脳味噌をひらき ....
☆立原道造「さびしき野辺」の場合
いま だれかが 私に
花の名を ささやいて行った
私の耳に 風が それを告げた
追憶の日のように
いま だれかが しづかに
身をお ....
☆石原吉郎「若い人よ」の場合
私はちがうのだ若い人よ
私はちがうのだ
私の断念において
私はちがうのだ断念への
私の自由において
堤防はそのままに
堤防であり
空はその ....
☆山中散生「JOUER AU FEU」の場合
いま私の手もとに「JOUER AU FEU」という一冊の詩集がある。このタイトル、外国語なので、もちろん読めない(笑)。が、検 ....
☆小山正孝「倒さの草」の場合
草むらに私たちは沈んだ
草たちは城壁のやうに私たちをくるんだ
倒さの草たちのそこの空に白い雲が浮んでゐる
青ざめたほほと細いあなたの髪の毛と
草 ....
☆清岡卓行「子守唄のための太鼓」の場合
ご要望にお応えして清岡さんでいきます(笑)
と決めたものの、待てよ、そういえば、この詩人の作品、まとめて読んだことがないのでは ....
☆北園克衛「花」の場合
雨の音とともに
黄梅が匂ってきた
風さへつのり
夜がふけていった
ひとり
詩集をひらき
友の詩を
すこし読み
菫さく野をおも ....
☆村野四郎「体操詩集」の場合
次の詩を読み設問に答えなさい。
花のように雲たちの衣裳がひらく/水の反射が/あなたの裸体に縞をつける/あなたは遂に飛びだした/筋肉の翅で/日 ....