すべてのおすすめ
*灯台
かすかにまだ
光っている
間違えたままの、
やさしい思い出
わたしの幸福な思い違いを
あなたは
そのままにしてしまったから
....
やさしいのか
やさしくないのか
雨の日のあなた
約束の時間に
遅れたわたしに
何も言わないので
カフェオレを頼んだきり
わたしも黙って俯いてい ....
君を愛する
と告げるとき
その言葉にわずかに
哀願の響きが混じった
それを嫌ってか
いつからかその言葉を
告げなくなった恋人に
それでも愛して ....
やさしさと、
いつも呼んでいた
傷つきやすいその心を
やさしさだと、
呼んでいたあなたの
傷つきやすい心
秋の終わりの
....
月ではまだ
冬の初めで季節が
止まっているようだった
浅い眠りの合間に
この頃よく、夢を見る
凍えたままの月面で
あなたをこの腕で抱き ....
わたしは時々、石になりたい
そして夜の一番暗いところで
じっと丸くなり
わたしの冷え冷えとする体に
とても美しい夢を備え
いつかわたしを拾い上げる者に向かって ....
昔、あなたに宛てて書いた手紙
あなたが受け取らなかったので
まだ手元に残っている
手渡そうとすると
あなたは決まって困った顔をしたから
わたしは何故なのだろう ....
甘くない珈琲を
手の中で
大事そうにしていた
猫舌だと言って
大事そうにずっと
両手の中で
十二月に降る雪のように
ま ....
冬の空に
オリオンが南中する頃
ベテルギウスは涙を零して
名前が呼ばれるのを待っている
冬の空の、暗い、
まるで何も存在しないかのように ....
わたしの中に森が生まれたとき
その枝は音もなく広げられた
指先から胸へと続く水脈に
細く流れてゆく愛と
時おり流れを乱す悲しみ
わたしを立ち止まら ....
夏の最後の日差しが眩しくて
何も言えずに目を閉じた
晴れた空に向かって
君は背伸びをして手を伸ばす
それでも僕は何も言えない
ひと夏が終わるたび
....
冬の木漏れ日の中で懐かしい歌を聴きました
懐かしくてももう泣けない自分がいました
それが寂しくてそっと瞳を閉じました
太陽が淡く輝いた冬の日のことです
太陽 ....
和歌こゆみさんの嘉野千尋さんおすすめリスト
(12)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
海辺の詩集
-
嘉野千尋
自由詩
49*
08-7-13
金木犀
-
嘉野千尋
自由詩
27*
07-9-24
恋人よ
-
嘉野千尋
自由詩
9*
07-2-23
夕暮れ組曲
-
嘉野千尋
自由詩
20*
06-12-19
月面観測
-
嘉野千尋
自由詩
16*
06-8-13
わたしは時々
-
嘉野千尋
自由詩
18*
06-6-6
手紙
-
嘉野千尋
自由詩
31*
06-2-6
十二月に降る雪のように
-
嘉野千尋
自由詩
17*
05-12-10
十一月のオリオン
-
嘉野千尋
自由詩
21*
05-10-22
森の風景
-
嘉野千尋
自由詩
36*
05-8-12
君と九月と、あの空と
-
嘉野千尋
自由詩
14*
05-8-5
十三月記
-
嘉野千尋
自由詩
45*
05-1-7
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する