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私の渦よ
手のひらをゆく
雲にふれるな
落葉を裂くな
くるくるまわれ
息をきらして
ぎやまんの光
おまえにやるから



私の渦よ
死にそこねた蝶よ

 ....
欠けた星が昇り鳥を追う
灰の大陸と
薄暗い蒼の大陸をかきまぜながら
夜の光は地ににじむ
倒れた木々は生きつづけ
枝は沈む光に向かう
死は重なり生は隙間を埋め
 ....
川の向こうにひろがる夜
水の社から来る音と
黒と青と金とが重なり
やわらかな生きものの胸を染める
暗く豊かな雨に導かれて
山は次々と雲のものになってゆく


 ....
涙のなかの{ルビ二重=ふたえ}の花
小さな歌と 軽い足ぶみ
指がぜんぶ ひとつずつ
翼になっていくような
それでもけして地を離れない
微笑むような足ぶみ
歌う先 ....
黒に近い深緑から
白のうたが聞こえていた
たくさんのものを失って
望まぬちからを得た最初の日


こんもりとした光のかたまり
まるく息づく色はほどけて
指を撫で 
指と指 ....
紅い氷に
蒼い光はそそがれて
溶けては凍り
溶けては凍り
土へと向かう重なりの
まばゆい柱になってゆく


雪が召ばれ
風が召ばれる
木々は皆いっせいに
かしいではも ....
雨と雪の数えうた
青と金の飾りの手
かたびら かぐら
しずくのふるえ


色と色の板たちが
音の無い地に鳴り響き
しずくの上に羽を描いて
空を少しずつ明るくしてゆく

 ....
わたり鳥の光のかたむき
水と草とに散ってゆく声
拾う者なく散ってゆく声
あたたかな隙間ある冬のはじまり


器にはまだ水があり
夜の雲を映している
緑を覆う緑の暗がり
 ....
朽ちた緑の壁の前に
きんいろの影がひとつ立ち
宙と土のゆらぎをつなぐ


水が流れている
手のひらから
光を呑む子のかたわらを
水は流れつづけている
無色の虹が幾すじも
 ....
嵐の夜
白と黒の町
{ルビ礫=つぶて}のなかの
廃屋をめぐるまわり道


螺旋階段に立つ人々
雨のなかの天使を見下ろしている
瞳から瞳へ落ちてゆく滴
水彩の ....
橙色の風が吹き
壁をめぐり
木々を螺旋に上下する
ふいに無数の猫になり
屋根の高さの季節を乱す


吐息が導く双つの手のひら
合うようで合わないはざまから
遠く見知ら ....
雨の森 羽の音
言葉にこぼれる
声の水音
透きとおった殻のなかで
生まれ出ようと旋るもの



空が融ける
雲の一角
灰の放射が
ひとりのまぶしさが
おそ ....
午後をわたる数羽の鳥が
いくつもの笑みを描いている
空と曇の鈍のさかいめ
まぶしく見つめる目のなかを
笑みはめぐり飛び去ってゆく


曇を映した滴にかがやく
水の壁のよ ....
粒になり粉になり消えてゆく
手に触れる花から消えてゆく
からだへ からだへ
浴びせかけられるように降る花
燃えても燃えても降りやまぬ
消えても消えても降りやまぬ


め ....
遅い月に
空は揺れ
鳥は眠り
朝の川を夢みる
冷たい光の下の水
海にもなる
人にもなる



雨の明かりをすぎる鳥
灰の轍をひたす水
幾度めかの浅い冬 ....
突然の雨に驚き
空気が動き
生まれた風は
生まれたときから不機嫌でした


埃っぽい路が
陽や曇を浴び
濡れた光を浮かべ
空を見つめているのでした


蜘蛛でも ....
砂が生まれる日
冬から白が去り
見える風が座す
冷たいまなざしの
不透明たちが



空白に入り
空白を満たす
水のなかの息
満たされてゆく空白
消え ....
すべての前を涼しげに
見えない波がすぎる朝
灰とむらさきは結ばれて
ゆるやかな灯に沿い
淡く淡く歩いてゆく


それまでどこにもいなかった
黒い点が現われて
光のまわ ....
街のすみの
白い白い花を
夜へと向かう暗がりのなか
したたる滴を追うように見つめる


からだが少しずつ咲いてゆく夜
時間と穴と痛みたちの夜
すべての窓と見つめあいなが ....
夜の灯りに染まり連なる
紅くにじんだ雲の前に
誰もいない建物がつづいていた
記憶と 事実と 交響と
淡く静かな流れに沿って



目に映る火と
映らない火の
か ....
夜をひらく火のように
あなたがひとりひらかれるたび
わたしもまたひらかれます
冷たい湖の前で
空をわたる音の前で
野を分ける火のように


あなたが放った色として
 ....
水たまりに映るいさかいと雲を
雨がゆっくりとかきまぜる
人は過ぎる
空は過ぎる
水たまりの底のむらさきに
次の空がやってくる


鳴き声のように震える音が
どこから ....
まどろむ海月さんの木立 悟さんおすすめリスト(52)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
そよぎ姫- 木立 悟未詩・独白406-2-16
冬原霊- 木立 悟自由詩106-2-12
凍夜- 木立 悟自由詩606-2-8
小さな歌- 木立 悟自由詩106-2-1
夜と源- 木立 悟自由詩306-1-20
報われぬもの- 木立 悟自由詩606-1-5
冬舞- 木立 悟自由詩206-1-3
降り来る言葉_XX- 木立 悟自由詩505-11-14
きんいろのうた(くらやみと子)- 木立 悟自由詩605-11-6
円原視座- 木立 悟自由詩1005-10-26
街と光- 木立 悟自由詩905-10-20
冬の羽- 木立 悟自由詩605-10-14
夜とまたたき- 木立 悟自由詩605-10-13
海へ至る- 木立 悟自由詩805-10-11
腕ひらき_微笑む- 木立 悟自由詩605-10-10
午後のはじまり- 木立 悟自由詩905-10-9
虚行路- 木立 悟自由詩605-10-8
朝のふちどり- 木立 悟自由詩105-10-6
いろ_てまねく_いろ- 木立 悟自由詩905-10-4
火は緑- 木立 悟自由詩503-10-9
こがね- 木立 悟自由詩503-10-7
冬と光- 木立 悟自由詩803-10-6

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