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車いすを押して歩いた
そんな日があった
Oくんはひざかけをして
「石川さん、こんにちは」と云った
「こんどな お父さんと…奈良いくねん」
寒い道だ
空が透明な血のかたまり
....
傷ついた
というより
どうしようもなかった
話がある
洗濯物をたたんでいく
パンツ
シャツ
ヨーロッパ
僕の無器用さは消えない
どうしても嫌なことは嫌といってしまう
言 ....
兆し
まだ何のためか
なんであるか
わからないまま
僕は
昼間泳いでいる
つかんだ波
はなさないために
好きでいられるように
とつとつと
祈る
笑うひと
奪う波
死に ....
抜き打ちに
昼が訪れて
僕は
誰にともなく
やあどうもというが
答えは空っぽの家に
自転車のブレーキの音が
キュウキー響くだけで
僕はためいきをひとつついた
昼はおとなしくしてい ....
犬が鳴いている
と書いた瞬間
何かいのちが死に絶え
また生まれるような気がする
書くことは定義不能
生きている毎日が
戦いだ
誰のため
自分のためではない
存在そのもののため ....