すべてのおすすめ
クレヨンのような階段を
荒野に見立てて走り抜ける
マルボロを垂らして釣りをするひと
それをポラロイドカメラで撮るひと
毀れた弓でパチンコをはじくひと
かみなり親父
トランキライザー ....
トビウオがサンマの仲間であるのと同じくらい
パラシュートはビニール傘の仲間であるので
空から降ってふわりと揺れる君の昨日のことばと
肌を冷やす冬の雨を避ける僕のかなしみとは
そんなに変わらない ....
どうしても白熱灯でなければいけないのです
冬はあたたかいし
心なしか 黄色く胸がおどり
照らすと天気の記号のように半分になるので
そう こわれものはやわらかな
空気の入ったビニールでつつ ....
緑のガムはきっと青りんごとメロンの中間の味がするはずで
暗くてひんやりと寂しい箱の中に丸まって収まっているそれを
売る駄菓子屋のおばあさんは30年間涼しげな家の畳と続いたすみっこに
座っていたら ....
ピンク色のセーターにオレンジの日も暮れて
水色の縄が撒き散らした砂はその左側の
舗装された道のコンクリートの隙間から芽を出しました
照りかえす影に回るガタついた滑らかさは
テレビ電話のよう ....
堂々巡りの話が止まらないのでいっそのこと
回り回って溶けてバターになってやろうかと思ったが
パンのカリカリの表面の上できれいに塗られずに固形のまま
押しつぶされたりするのが嫌だったのでとにかく反 ....
机の上で顕微鏡に誤解されたい
絵に描いた夢に初恋が覗かれて
家出の新聞記事に胸を痛めたその隙に
始まりと終わりが泪の後で同時に流れた
ツー
ツー
流れた
ひっくり返ってたたみかける空 ....
つま先から頭のてっぺんにかけて
ベクトルがそのまま垂直方向に伸びて太陽
果物と同じくらい孤独
瑞々しさの極致がほったらかしだよ
ある日南の島の販売人に出会って
ポイントもつけるし安く ....
新宿の夜 ときたまそよと触れる風の
中身はともかくさわりごこちはやわらかい
日常を制御できると思っていたよ
透きとおった 鮮やかでかなしい夢がみたい
緩めたネクタイにぶらさがる全ての虫 ....
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