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｛引用＝蝶をつくる手がはぐれてしまう
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　簑田伶子｝



「ほら、海!」ときみがはしゃいだ時は過ぎ埋め立て地にて描くあの夏


幼さや日　.... 帰る度　花がふえてるこの家に　娘はいない(むすめはいない) 乱暴に呼び鈴鳴らすその指のリズムに乗ってやってくる夏



目薬のほうも緊張していると今知りました、テーブル越しに



交通事故ゼロの記録が途切れたから明日あたらしい香水を買う
　.... 日だまりに停車してある軽トラできらきら光るホットサイダー



おじいちゃん早く渡りな大丈夫道路は三途の川じゃないから



祝日に国旗を掲げる家なくて家主の世代交代思う
　.... 関節がニチリと僕をわらう冬
もう、コートは脱げなくなった


ぎゃはぎゃは、あたしは液体をばくんとのみこむ、
頭パーンする 　　　　　　　　　トンネ　　　　　　　　　　　　暇　
　　　　　　　では　　　ル内　　　　　　渋　　余　　　　
　　　　　　会　　　　　　　で　　　　滞　　の　　
　　　　　都　　　　　　　　も　.... 重なった指、ブラインドから漏れた光、第一話、春、終わりの始まり、


さようならカシオのＧ−ＳＨＯＣＫカシオ以外のＧ−ＳＨＯＣＫ君以外の僕


着席のベルは空襲警報みたい、みんな笑って　.... 春の風笛が鳴ったら合図です羽根を使ってダッシュしなさい

さようならちょーく・いす・つくえ・らくがき・あのひとのせき・あのひとのかげ

リセットボタンをガチャガチャ押しても散りゆく花片はもう戻　.... 黒猫が今横切った瞬間を写真に撮った？わからない影



かみさま、と呟く少女少年の描いた絵画に無い色が好き



ヴァイオリン壊したことがあるひとは今すぐ足をあげてください　.... 雨の中ドラムを叩く僕がいてピアノ奏でるきみがいる海



風の無い丘でうたた寝　ねぇここは風の駅かと聞いてくるきみ



ねぇ誰か教えておくれどうすれば僕は靴下を食べずにすむか　.... 逆立ちで見ている蝶がひらひらと空へと墜落してゆく絵画




音楽はすでに秒読み棺から指揮者は水となってこぼれる




ハイウェイを夜と名付けて人見知りばかりしている　.... ｛引用＝美しい涙に沿って目をさがす

　　　　　　　　　　　　　　　by oldsoup『内部ナイーブ』｝



方舟は沈んだきみのゆびも絵も僕のなみだもノアの見る夢



　.... さぁ、主観デラシネにして海の絵にキリンの首をくわえてみせて


花の名をたった無数の花の名を思い出せづに死ぬものがたり


目を閉じて夢のほとりに佇んだきみの両手に紫を置く

　.... 黒と赤まとって白いこんにちは　音は存在してるとゆうの？


高低の激しいおんがくだだっだだっぴろいのはらに吹きぬけて冬


階段を転げ落ちれば痛いけどマンホールはどこまでも暗い

　.... 　｛引用＝（鍵盤が駆け上がる夜、／ガラス片、／鉄塔／に続く紅の、足跡、／／）｝

裏側はどうなってるかわかりません　そんな理由じゃ嫌わぬ　月よ



差しだすとき、グラスの中身は原液です。　.... 西暦の未来分だけ過呼吸になるというなら（青い背中は、）


「ぼくという、きみというのも青までね」イヤフォン越しにゆらぐ終着


平坦な青にまみれる朝を見たあなたの声にふれてはさめる
　.... あんああああくびするより空に手を布団パンパンあたたかな風

どれを着てどれを仕舞おう→ほとんどが新品のより着慣れたものに

この風景をあなたと歩いて部屋に帰るまで疲れるくらいに

どこまで　.... 夏のぬくもりってどんなの？と少女、軋む氷のかけらを溶かす

この雨が上がればさよならの予感半袖の先爪に塗りこむ

果汁がどのくらいの夏ならいいの太陽と日焼け止め調合

何も考えずに揃って鳴　.... 花束を車内いっぱい敷き詰めて水没してゆく春の陽とひと



野の花や少年少女の髪揺れる風泥棒が口笛吹けば



集まればいつしかはなれてしまう春むかしどうきゅうせいと来た海
　.... 帰ります、とメールをしてきた君が向こうから全力疾走で


君の重さを受け止める。お姫様抱っこ？もう少し痩せてからね


人ごみに紛れこむとどうして私だけがここにいないんだろう

　.... 名、をつけて、指間からこぼれ落ちる、もの、そこまで愛せ、そこまで愛せ、よ、


彼はいろ我はひかりか　赤青黄おなじ要素で対極に立ち


半分の顔で笑みたるその闇が満ちて怯えん君温け　.... 木は風に揺られて危機と告げている台風前夜の窓辺のふたり


完璧な雨に降られて澱みゆく河を見ている仔猫とあなた


水田の水面に雲は流れゆき徐々に満ちゆく夏の青空


帰り道　.... 真夜中にせんたくものを干すきみの着ている服も濡れている手も


立ち直りかけてるきみに悪いけど闇を失くしたきみは抜け殻


伸びる影のびないひかりの集う朝みえない牧師が祈りをサボる
　.... 高らかに目押しのできないふりをした私に和尚が近づいてくる

頭蓋骨からして大きめだって言うなら猫の腹をあてがってやる

涙目で「バスタブの縁に上ってたかどうか教えて」なんて無意味だ

そこ　.... 黒蜜の氷菓和尚が食べるとき観音扉の奥のまばたき


猫みたいな声を出すから燃え上がる火事にみとれるひとみをなめる


無意味だと思うぼくらのやることは星と星とが抱き合う夜に


尾&　.... 寒波ならキレキレの夜冷蔵庫ふるえるきみかふるえる空か

前方の窓に窓らにアクセルの踏みつける後に拭ききれぬ痕に

黄信号まんまる月の注意なの前へ進むの右に曲がるの

対向車無数の街灯無数の　.... 雷鳴にかきけされてく「さよなら」と微笑みながら消え逝く夏よ



画用紙の上でちぎれんばかり手をふるは向日葵それともきみか



欠けてゆく月も満ちてゆく月も紙一重に映す海鏡


　.... 今青き蛇の抜け殻くぐりぬけ廃墟のごとき雨の降るかも


コスモスの群がる丘で赤と青　少年少女が燃やすむらさき


錆び付いたあなたが今夜もあらわれて僕のくちびる噛んでさよなら


降　....
簑田伶子さんの短歌おすすめリスト（28）
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
庭を散布する- 本木はじ ...短歌212-8-18
MOTHER- あぐり短歌6*10-5-4
シャイン- 石畑由紀 ...短歌608-7-11
思春季- 本木はじ ...短歌2208-4-5
そういう- 因子短歌2*08-3-28
都会＿四首- ピッピ短歌808-3-28
【短歌祭参加作品】肺病み- しろいろ短歌14*08-3-17
【短歌祭参加作品】弥生、なごりは一瞬宝石の光るような- 唐草フウ短歌11*08-3-16
ノンフィクシャン- 本木はじ ...短歌508-1-19
走り去る電車すべての駅を過ぎ風は- 本木はじ ...短歌608-1-7
highgradation- 本木はじ ...短歌1108-1-3
Short_peace- 本木はじ ...短歌9*07-12-29
in_bloom- 本木はじ ...短歌607-12-28
ゆくえふめう- 本木はじ ...短歌5*07-12-27
鉄塔にて- 石畑由紀 ...短歌14*07-12-25
ブルー・キュラソー- yuri.短歌9*07-11-29
爽＋秋- 唐草フウ短歌4*07-10-11
もぬける夏- 唐草フウ短歌14*07-7-17
春形見- 本木はじ ...短歌1407-4-7
いつか虹を- たもつ短歌1907-1-3
#2006.06〜09- 石畑由紀 ...短歌1606-10-17
新茶- 本木はじ ...短歌1106-6-24
踏み絵- 本木はじ ...短歌806-6-17
【短歌祭参加作品】教えて、エロい人- 合耕短歌406-3-8
【短歌祭参加作品】contre_le_sexism- 本木はじ ...短歌9*06-3-6
セブン・ピース- nm6短歌505-12-20
夏のフィラメント＿- 望月　ゆ ...短歌15*05-9-25
退色未遂- 本木はじ ...短歌2804-11-2
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