すべてのおすすめ
エレベーターに乗ろうとして
エベレストに乗ってしまった
家のローンもあと二十年くらい残ってるのに
まさか自社ビルで遭難するなんて
眠ったまま電車を乗り過ごすこと数回
失恋十数回
上司に怒鳴 ....
簡単な申請をして
小さなお役所のソファーで
僕らは順番を待ってる
制度はいつも公平で
人に優しい
前に座っている子供が
しきりに咳きこみ
母親と思しき人が
その背中をさすっている
僕 ....
今日は朝から
角を曲がる犬にたくさん会った
いま目の前を歩いているこの犬も
やがては角を曲がるのだ
君にその話をすると
頷きながら聞いてくれたけれど
僕がどれくらいの角を曲がってきたのかは ....
ランドセルから鉄屑をまき散らし
小学生たちが歩いていく
賞味期限が切れて
生温くなった答案用紙を
噛み砕きながら
テレビで見るホームレスも
ここにはいない
家がなければ居てはいけない
....
鉛筆を指で回す君
鉛筆に指を回される僕
色の付いた服を着ている先生
お花畑の隣にある工場でつくられた黒板
下手糞なうそ
という言い訳
筆箱を空けると
いつもそこには青い空が広がってい ....
コンビニのレジから
僕らのタクシーがあふれ出すから
春はまた息苦しい
行き先も告げずに乗ると
君の家を通過して
犬小屋の屋根を壊してしまう
料金を体温で支払う
少しのおつ ....
弟がつり革になって
ぶらさがってる
白い輪っかのところなどは
良いつくりだった
揺れるたびに僕はぎゅっと握り
引っ張られた弟は
それでも痛いとは言わなかった
昔からそういう子だっ ....
友人からの年賀状には離婚したことが添えられていた
数年前、結婚の挨拶に来た二人
こんな美人お前にはもったいねえな、なんて
憎まれ口にもニコニコしていた二人
昨年もいろいろな人がこの世を ....
今日ミ○ドに行ったらサンタさんがぐったりした顔でコーヒーをすすってたので、
「お疲れ様でした」
って声かけたら、
「お前んち行ったのにおらんかった。なにしとったんや」
とふてくされた顔 ....
帽子を覗くと
中には都会があった
かぶることも出来ないので
しばらく眺めることにした
頬杖なんてしたのは
いつ以来のことだろう
自分にも重さがあったのだと少し驚く
風変わりな光景があるわ ....
ボディ冷、ホワイト息ですれ違う季節来たる挨拶。深夜に予感ぼくらをひっかけるフック。通りを抜ける救急車近づいて頂点遠のく。光るコンビニ。通過するその頂点で光るコンビニ。残響く/回転る、してゆ ....
救急車が近づいて遠のくてっぺんの通過点で何の皮膚をつつくのか
酔い宵の空気からんからんいつの間の間の疲れてヨウ宙に浮いているよ
ぼくら人間はやわらかいよ簡単だサクリサクリ、とか
フロム月
レデ ....
ふと庭に
光漬けになって
泣きだしそうな 彼女
まぶしいのは
もうまくがやわらかいから
だったろうか
もし
私が死んでしまっても
このせかいが
ぷつんと
終わったりしま ....
お前の髪
蚕の繭だったらなあ
白くて細くてふわんとしてて
綺麗だろうなあ
俺はお前を紡ぐんだ
糸車を
カラカラ言わせて
それから織って
お前は美しいすべらかな生地になり
....
南にむかって
角をひとつ 曲る
てのひらに
陽の照るように
ゆっくり
あなたのほほからたちのぼる
あたたかなあめの 午後は
甘くて
空をむかえる地べたのように
五つのゆびを ....
さまたげるものだけが
私を
言葉に向かわせる
たとえば 雨
いつだって
あなたも同じだ
突然
ひょい、と現れて
私が
気にしないで生きようと
思っていた矢先にいつも
嫌い ....
寝起きは、不機嫌
な ぼくなので、
世界の終わりの
ような顔をして、
何もかも、どうでも
よくなっている。
なので、
ぎゅ ぎゅっと 後ろ
から だ きしめて、
さらりと キ ....
春、という5月の
光って市ヶ谷の駅の光って階段の小さな窓の
(その駅は、黄色い線の入った電車が水のほとりを走るところの)
ちいさい音楽を
グレーをつつみ隠す太陽色の平行四辺形が4つに
手のひ ....
破って、あげるよ。
きみのたまごのいいとこ、みたいなその声で、
わたしは目隠しされているのです。日々、わた
しはわたしが嫌いで、でもきみのことは好きで
わたしは目隠しされているのです。何も ....
あなたに感じないもの
それはリアル
あなたが
人形みたいに硬くするから
それは
慎むことだとわかってしまう
入り組んだ住宅の細い路地を
あてもなく曲がって
ここがどこだかわから ....
明るい朝の日差しのなかで。
痙攣する手が手渡そうとする綿毛のたんぽぽ。
飛び立ってゆく綿毛、綿毛、
白いこどもたち。
白いのは綿毛ではなく世界ではなく私の視界でありより正しく言うならば ....
洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、アイロン、泡だて器、食洗器、掃除機、炊飯器、浄水器、
{引用=
....
雲ひとつない
ここはグラスの底
{引用=
では次に、炭酸水をきちんと測って
フラスコにいれましょう。さあさあ
....
その日も、少年(予定)は、間違えた言葉をそのままに口にする
変換の仕方も削除の方法も、最後には気付けないことばかりなので
いつまでも、「あ」と「い」が上手く発音できない
それでもいいか、なんて思 ....
私は
そらに放たれた宇宙飛行士
オフィスの
隅っこで見上げてる
ホワイトボード
お知らせのメモ
ホチキス
こんな朝から
遠い宇宙の孤独を想う
私とどこが違うのだろう
正 ....
とても美しいことを書けそうだと思って
さわりかたをそっとしたりしてみる
きみへ続く空中はゆらいで白く
物理学の本ならばたとえば
ペットボトルの曲線をなぜて
やわらかに跳ね返っている
春先の ....
ぼくらは空に近づこうとする、いつも包まれるばかりでひとつにはなれない。ひろびろと伸ばしたつまさきをゆびさきを、リンととがらせる。新宿にアスファルトのあちらこちら。渋谷を通り過ぎるどちらこちら。ビルとビ ....
窮鼠猫を噛み私たちは溜飲を下げる が
私たちはいったいいつまで
窮鼠のふりを続けるのか
新聞の読者投稿欄というものがある
世界には人の数ほど意見があるのだということを
思い知らされるのに ....
パレード。パラーデ。歩いているものを集めて、ただそれだけのこと。川のような世界で、素数のようにひとりぼっち。2、3、5、7、11、とそこまで数えたときは、最盛期たる朝。いっそのこと、きみは世界をよく見 ....
1.
かみさまはいるよ、
って
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた
だって、あいしてるんだ
2.
きのう、かみさまを見か ....
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