すべてのおすすめ
ネジを食べる
硬い
ネジ、硬いね
君も食べる
時々軟らかいのがある
不良品なので捨てる
そろそろご両親に挨拶に行きたいのだけど
言いそびれていた話を切り出す
君が嬉しそうに微笑む
....
かくすためだけの
キャミソールに飽きて
このごろは いつも
はだかで過ごしている
夏はまだ
わたしの腰の高さで停滞している
午後4時をすぎると
夕凪に 夏がとけてゆく
....
わたしのこと
愛してなんかないんでしょう?
帰途につく助手席に
憎しみは騒ぎたつ
さざなみのように
答えのないまま
FMはゆく
たとえばくちびるで
確かめあえたら
あなた ....
ふと遠いところへ行きたくなる
通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
曇って
見えない夕陽を
さがしていると
さびしかった時間が
今と重なる
ひんやりとした母の顔
ギザギザにみえて
夕陽道を歩いている
学校の校庭は
黄色い砂漠
ひとり歩く
重い ....
今日が終わる
その少し手前で
ひとつ足りないことに気づく
いつものように
君を送りとどけた駅で
「またね」でもなく
「さよなら」でもなく
「ありがとう」でもない
ひとつ ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている
明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
焦らずに生きよう
吸い込んだ空気の味を確かめるように
君は口の中でその言葉を噛み砕き
ため息に混ぜて吐く
空のむこう
酸素のない宇宙空間に
君の知らない自由があるとしても
そ ....
果ての見えない白の上に
君に用意された四角い枠があったとして
君はそれを少しはみ出すくらいに自画像を描くとする
君はそのうち
枠の中に絵を収めなきゃいけない気がして
はみ出した部分を消そ ....
夢へと落ちてゆく瞬間
貴方を想う
サワレナイという女の子がいました
何を贈られてもそれに触れないでかなしそうに笑うので
そう呼ばれていたのです
サワレナイはある朝、さみしい夢に目を覚ましました
そして、毎朝そうやって起きていた ....
十二番目で
いつも言葉を間違えてしまう君は
その次の交差点では
左折ばかりを繰り返している
東京
狭い夕暮れで
夢から覚めたばかりの抜け落ちた体を
ついでのような角度でドアの隙間に潜り込 ....
{引用=
空から
ぶら下がっている
スイッチの
紐を
一緒に
引こう
月が
常夜灯の
ように
琥珀色に光って
僕たちの
最期を
しばらく
映 ....
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる
空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
あなたからの手紙、
「。」が全部ミジンコで
「、」が全部ゾウリムシ
だったよ
どうでもいいから
早く会いたい
空は鋼鉄製の空
優しい飛行機だけが
僕らの所有する
すべてだった
乗客は皆
海のかたちをしていて
ポケットは
いつもだらしない
客室乗務員が
小学生のように
一人
また一人と
....
朝方早く、空は虹色をしていた。
世界にだまされている。
ベランダに立って、気がつけば、
世界は今も動いている。
給食センターのトラック。除雪機の眠った倉庫。
海に続く空気。
朝方早く、 ....
走り書きした
唇 の 上
冷めないうちに
耳を塞ぐ
儲からない 話
でも
いい の ?
君が孤独を叫んだ声が
いつか誰かに届けばいい
君が忘れた温度を取り戻すように
また 誰かと手を繋ぐ日がきたらいい
そう願うとき 僕らは違う景色の中にいる
僕らは不器用に想い ....
あー
なんだこの線、と思ってあたりを見渡すと
その線の上にはきちんとでっかい看板が立っていて
「20歳」って書いてあるワケね
はっはーん
これはね
きっと誰かが
俺を貶めるための陰謀です ....
着込んだ老人が
踏切りを渡りきれないうちに
死んでしまうのは
電車は通らなかった
車は突っ込んでこなかった
風は吹かなかった
杖を玄関 ....
返事はそっけないのに、
もっとたくさんそっけない返事をすると、
たくさん話す君は、
不安ですか?
手で上着の裾を引っ張ったら、
あったかい手じゃなくて、
使いかけのカイロを握らせた、
君 ....
たいないのすべての
あたたかさをもって
たましいは
わたしのからだに
どどまっている
だから
たましいは
あたたかいものに
びんかん
つめたくなった
たましいでさえ
....
それはもうやわらかさの
空気の眠い部屋が体積を主張し
捏造した自信がゆるりと溶解する夢の直前に
膨大に散乱するやわらかい洋服の
それはもうやわらかさの
叫べど数学的に整頓される時間で
おも ....
晴れた空は、あまりに眩しくきれいだ
幼い頃、一番欲しいものはなあに?と問われて
そら とは答えられず
むきかごーぶつ と答えた
(空は大きすぎて僕のおもちゃ箱には入らないとわかっていたから ....
その頃というのは
そういうものに
興味がある年頃で
煙草は吸っていたが
ただそれだけだったし
酒は頭が痛くなるし
で
色々と考えた
ふわふわとした
吸い過ぎで
喉が痛いから ....
僕が知っている二人が決定的に別れてしまうのは悲しすぎて
いつかその二人がもとどおりに戻る事を祈る
人の感情はどうしようもなく頑固な部分を含んでいるから
出来事に関係の無い人間があれだこれだと言っ ....
来襲した否定の言葉に
其れを肯定する事しか出来なくて
また 大切なモノを壱つ失くしました
他人が見る自分を
強がりというオブラートで隠して
開放したら 見切られました
一時の感情に ....
山の中を走る風は
ガムテープの匂い
あの景色あの感触あの想い
べったりと
しかし思いのほか頼りなく
運んでいく
ひとけの無いがらんとした灰色の
ただ広がっているだけのアスファルト
何故か工事がストップしたままの
どこにも繋がっていない道ではない道
わざわざここまで来たのは
あまり悲しくならないため ....
1 2 3