すべてのおすすめ
さよならは青い背もたれ始発にて四月の夢を温めにいく
アンニュイな晴間が秘める春雷に片目をとじて君を待つ午後
ないしょです。星くず燃える屋根裏で子猫と愛し合った日々など
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砂糖黍畑を走るおさな子はいつかのわたし汗まで甘い
エメラルドグリーンは父がちゅら海を恋うる口ぐせ目じり細めて
「白百合は雑草だった」と言う父の故郷奄美は千キロ先に
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洗面器に金魚を二匹放したら波紋にひかる新月の影
告白に一瞬ときがとどまって乱反射する川が痛いよ
自転車に初めて乗れた日の風を呼びおこしてる恋のはじまり
まひる ....
絵葉書の端からおしゃべり零れ出す「暑中お見舞い申し上げます」
目標は銀河で泳ぐことだからヒマワリ君とは背比べしない
窓辺にて涼む巻貝ひとさじの碧い潮鳴りおみやげにした
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