乾いた土に 優しい水
染みこむ 染みこむ
乾いた心に 優しい言葉
うるおう うるおう
やがて あふれ出した 優しい水は
涙になって 頬をつたう
こぼれおちた 一粒の ....
只今
大変混雑している為
空にお越しの方は
しばらくお待ちください
ふらいぱんに
たまごをおとせば
あさいちばんに
みることのできる
3かいぶんのはなび
ぼくはのびていく
ひとはゆびをさして
うそつき
とわらうけれど
もうききなれているから
だいじょうぶ
そのうち
のびて のびて
どんどんのびていって
あのへやに
とじこもってい ....
塀に飛び乗った
あの猫は
化粧を施して
媚びを売ったり
暗がりにまぎれて
誰かの頬へすり寄ったり
身体を火照らせながら
事に耽ったりと
場合に応じて
毛色を使い分け
今は
白と黒 ....
ながいあいだからっぽの
まどぎわの
たなの
うえの
すみっこに
おいてある
きんぎょばちの
なかで
おどっている
きみの
すがたを
すがたを
すがたを
....
桃色の屋根をぶら下げて
花を振りまくあの売り子に
トマトをぶつけてやる
熟れすぎて
腐りかけの赤を
思いきって投げる
彼女は手を差しだしてまで
受け取ろうとしてくれるだろう
鳴き終わったわけじゃない
力尽きたわけじゃない
(季節が移っていくだけだ)
洗いたての髪
あなたと同じ
シャンプーの香り
買い物袋から
オレンジが転がったのは単なる偶然で
私の爪の端っこに
香りが甘くなついたのも単なる偶然で
果実が転がり出さぬよう
そろりと立ち上がった頭上に
飛行機雲を見つけ ....
曇った窓ガラスに
家の印をつけて
それから
母の勤めている店の印をつけて
でたらめな道でつなげる
窓が汚れるから、と
後で怒られたけれど
それがわたしの初めて描いた
世界地図でした ....
腕の中で燃える子供を
抱きしめながら歩いてく
私自身が
すでに 廃虚だ
それでも
生きていくこと
人は
人である前に
影かもしれない
深くまでつづいている
いつか見失った道の先にある、森で
夏の日
ぼくたちは、生まれた
頭上には空があった
ぼくたちと空の間を通り過ぎてく風があった
ふりそそぐものは、光
光とも見 ....
帰り道に迷って
泣いてる子羊
あの空の羊雲は
違うよ
君の帰るところじゃない
涙を拭いてよく見てごらん
発見はいつも
ほんの足元からはじまるんだ
背伸びをしてると
ほんと ....
赤茶けた
ぬくもりの大地に
無言の歓声を喚げる。
曠野にひとりうたうピアノ。
男は冷蔵庫の中で傘を飼育している
夜の方が良く育つときいたので
朝になるとわくわくしながら傘に定規をあてるのだが
傘の長さが変わっていることはなく
その度にがっかりする
けれど男は知 ....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
風に揺られていたね
僕らはなにも選べずに
別れの言葉を強いるのは夕風
信じることも疑うことも
選べずにいた
僕らを置き去りにして
地球 ....