モノトーン


叫びたい衝動を 力に変えて
ペダルを漕ぐ 真夜中
誰も居ない道路 中央 白線の上
疾走する 切り裂く風を肌で感じる
その時だけは 素直になれる

どんどんペダルを踏み ....
いいことあるかな
いいことあるよ
きっとあるよ
もうすぐあるよ
おねがいごとは届くから

星屑たちは
きらきら きらと
ちかちかするよな憧れ抱いて
あの大空にまたたける
月にも ....
          掌

      繋ぎとめていたもの

   この手にしっかりと握っていたもの

  砂のようにサラサラと拳の中から零れる

      水のように流れてゆく

 ....
あたりじゅうすべてが蜃気楼と化してしまいそうな
夏の午後
裾の長い木綿の部屋着に包まれ
籐の長椅子で微睡む一個の
流線型の生命体
窓からのゆるい風が
肌にときおり触れて過ぎる
ほの甘くあ ....
  夏の最後の日差しが眩しくて
  何も言えずに目を閉じた
  晴れた空に向かって
  君は背伸びをして手を伸ばす
  それでも僕は何も言えない



  ひと夏が終わるたび
 ....
鮮やかな青春の残像が鋭く深く、私の理性の隙間に入り込む
紺色のオブラートに包まれたそれは
誰も触れることの無い呼吸を営み
現在の全てを拒絶する
何故の存在で、その奇妙な横顔を垣間見せるのか
 ....
七面鳥は醜い
青くなったり赤くなったりしながら
肉瘤を伸ばしたり縮めたりする
肉瘤は強さの象徴
弱そうな雄鳥をみつけては
目一杯に伸ばした肉瘤をみせつけてやる

今夜は久しぶりのお食事会 ....
色を重ねました
あの人に合うように
あれに合うように
あそこに合うように

そもそも その 最初は白かった 紙に
はじめに 鉛筆で 何の輪郭を描いたのか
下書きを
覚えて ....
   暗闇の中に、
   わたしはあなたの
   横顔を探したい
   満たされて静かに微笑む
   十六番目の月のように
   もういいのだと言った
   あなたの横顔を、
  ....
明日がある
と貴方が言ったので
私はすこしだけ淋しかった

いつだっけ
明日がどこにあるの
と尋ねたら
東北東
と答えたのよね
貴方は

どこからくるのか知らないけれど
明日は ....
ほんのり

ほんのり

片思い



恋の悩みと語るには

あまりに未成熟



きみの手紙の「ふ」の字から

微笑む顔を想像し


眠い眠いを繰 ....
もくもくの白さに
うるさいぐらいに蝉時雨
目をつぶれば 見えてくる
オシロイバナで化粧した
チョコレート色した 天使達



         とうみつの甘さ
         シャ ....
ウソを付くコツは
ホントを少し織り交ぜる事

ホントの気持ちは鏡の中にある

遠くから
くっきりと見えてたはずなのに
近づくと
吐息や体温で鏡が曇って見えなくなっていく

だから  ....
わたしがむやみに数えるものだから
蛍はすべていってしまった


わたしが思い出せるものは
ひとつ
ふたつ

美しい光

いつつ
むっつ

美しい光

けれどもそこ ....
ちっちゃい鯨ね
ぼくの絵日記をみて母が言った
海色の夏休み

まちの博物館の
部屋いっぱいに展示された鯨の骨を
ぼくたちは見上げながらスケッチした

せんせい、鯨も夢をみますか ....
すれ違った自転車の子供を
振り返る


白線が
鮮明に割き続ける
通学路だったアスファルトから
子供たちの声が古いものから順に遠のいてゆく


肌で増殖する蝉の羽の ....
人との距離は
危うく計りにくい

器用が良いわけでなく
不器用が良心的でもない
礼をつくすばかりでは面白みもなく
愛を語るばかりでは生ぬるいだけだ

道に迷って
迷って迷って
辿り ....
全ての人に大切な愛だって
手に入らないこともあるじゃない
適当に感動して一日を潰した私
何もないのに無理やり泣いて
声が枯れたら
また日が暮れた


同じように過ぎていく時は
数 ....
 燃え上がれば
 燃え尽きるということ
 永遠は
 波が攫ってゆく

 旅立ちは
 だれもひとりで
 雨に濡れる肩は
 やはりひとりで 

 あの日のふたりが
 波間に揺れて
 ....
とても疲れて
寂しい帰り道
歩きながら
車の中から
電車の窓から
わたしは夜空を見上げる
お月さまはいつも
わたしを追いかけて来る
どこまでも
どこまでも
逃げたくとも
逃げられ ....
ひらがなを覚えたのは
褒めてほしかったから

泣かなかったのは
泣けなかったから

望まないのは
叶わないのが怖かったから

受け入れられないのが
受け止められないのが
拒絶され ....
オレンジ色の光が長い影を作って
ひび割れたアスファルトに 残る

赤いランドセルが自慢
こんなに綺麗に使っていたのは私だけだったから
なのに もうこんなに汚れてしまったのね

引っ掻 ....
 平均台の上を歩くみたいに、生きてる


 両の手を横にのばして、バランスをとる
 あせってはだめ
 はしるなんて、なおさら


 足もとばかり、見ている
 けど、前を向いたほうがキ ....
さいごに君に触れたとき

まだあったかかった。

さっき

それを思い出してね、

そばにあったくまのぬいぐるみを抱きしめたんだ。

そっと。

こんどはこわしてしまわないよう ....
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