すべてのおすすめ
コーヒー色の喫茶店。
君の前には僕がいて、
今が幸せならばそれでいい。
僕がそっと笑うだけ、
君の顔も幸せいっぱい。
キャラメル色の夢の中。
モカにクリ ....
つきつち とぼとぼ
昇りかけた 爪の背
赤い雪 閉じた 街
散り散り 夏夜 宴
噛まずに 飲み込む
にぎやかな 靴の音
切り揃えた髪 だけ
しゃがむ 横断歩道
伸ばしかけた腕より早く
その腕で抱きすくめて
ささやきかけた唇に
大丈夫だよとキスをして
不安で怯えていたら
髪を優しく撫でて
肌と曲線と香りを
忘れないよう
両腕に溢れる ....
キレイになろうとする
ボクのそのココロが
いやしいと
思ってしまうのです
ピュアであることの
残酷さが
好きなのです
中途半端ではなく
魂のあるコトバで
ちゃんと
キズつき ....
目覚めたら
僕の部屋に同室者が現れた
両親と暮らしているが
生活パターンが違い
机上の英和辞典よりも顔を合わせなかったから
友達ができたみたいで嬉くなる
彼は僕とまるっきり正反対で ....
消えたいと望むあなたは
死にたいのではないのだね
逃げたいでも
降りたいでもなく
消えたいというあなたのことを
少しはわかる気もしてる
私はいつも 横柄だから
....
午後の生ぬるい図書館で 退屈と眠気のあいだを 振り子のように行き来しながら
頭の中では 隣に座った 白いブラウスの女のことを考えている
読んでいるわけでもない太宰治のページの端を 人差し指 ....
あんとき死んどくんだった
死んどくんだった
眠らせてもくれない
不眠症
書いてる間だけ気がまぎれる
このまま延々書き続けて
ピストルや首吊り紐から逃げれるかい
腱鞘炎になるまで書きつづけ ....
堕ちる 堕ちる 堕ちる どこまでなんて知らない
視界は真っ暗ってわけじゃなくて
パチンコ屋のネオンやらスナックの看板やら
妙に見慣れた景色や知人の顔が通り過ぎる
おおい ウォッカ・ライ ....
少女のために
空き地のために
泥靴のために
良かれ、とついた嘘
自分の肩幅も
かえりみず
良かれ、とついた嘘
あの頃は
そうでもしなければ
苦しくて
....
君は脱ぐ
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
....
わたしが打ち込む
死票の数の並びは
コンクリートの壁
ひとつひとつ
(つめたい)
羽蟻が震わせて
煙たがっている
その懐へ
その懐へ、
入れ込んだ針は
解体する
針ではない
....
わたしのいうことがぜんぶうそで
わたしがあなたのことをあいしていなくても
あいしてほしいの
だってわたしはもうあいすることに
つかれてしまったから
わたしがあいさなくても
あいしてほしいの ....
八月二十七日 午前二時
病室の小さなベッドの上
真っ白なシーツをかぶって
はしゃいでいました
夏が
終わるのを知って
少し ....
私だって
いつかは私になれるだろう
ゲリラ兵に捕らえられた僕は
若きリーダーの男に
カラシニコフ銃を渡され
「お前の最も憎い者を打て」と
命ぜられ
超高層ビルの展望台に昇り
望遠鏡にコインを投じ
小さな人達を鳥瞰
タ ....
言っても、言っても、言い足りない。
あなたからどんだけの愛をもらったのでしょうか・・・
これからその愛を返していきたかった
でも、もう私は返せそうにもありません
ごめんなさい
私の分 ....
きのうの僕はつらかった
きのうの僕はかなしかった
だけど めざめたばかりの僕は
一枚の白い画用紙
つらい色をぬらないでおくれ
かなしい色をぬらないでおくれ
....
わたしが放課後こっそりえさをやっていた
あの河川敷の林の猫を
あなたがちいさな段ボールに詰めたとき
ほんとうはおどろいたし
とてもかなしかったのだけれど
それがあなたの愛し方だと知っていたの ....
まったく 目を覆うことができたらいいのに
母の背中を 掻き毟ると 血 がにじむ
茶色いかさぶた と 筋になって 血
掻かないと 大声で叫ぶ 赤ん坊のように
私が 父と兄 の 替わり を ....
薄闇の映画館の中
鴨川のことを思っていた
土手にしがみつこうとする亀
にぶいオオサンショウウオ
蚊のような蛍
ヒトは思い入れる
かくいう私も
彼らを出汁に
女を口説いたり
狩猟の真似 ....
九月三日、僕は死んだ
メキシコのティファナで
黄色い風は心をすかし
物売りの少年は
人生を今だと言う
二月十日、僕は死んだ
ポルトガル領マカオで
外国の顔 ....
写真を破っても
ネガを捨てることができない
自分を苦しませ
かなしませながら
それに取りすがるようにして
生きてゆく癖があるらしい
抉れた傷痕は埋まらない
唇を 強く 強く 強く押し当てても
血は滲み
焼け付いた傷痕は僕を責める
血を混ぜた唾液の味に
君は少し微笑
とろん と
目を惑わせて ....
私には判っていた
あなたが まだ禁じられた歳だってこと
でも 可愛いあなたを
初々しいあなたを
指を咥えて見ているほど
私はねんねじゃないし
私は知らなかった
何にあなたが飽きたのか ....
知らないホテルの片隅で、
丸くくるまって君の寝顔を見てる。
ひとりでは眠れないというから、
毎晩、君が寝付くまで色んな事を話す。
あの鮮やかな初夏の想い出を、君 ....
どうしましょう
幸せなのです
幸せでたまらんのです
涙も出ます
あ
それは煙草の煙のせいかな
とにかくとてつもなく幸せなのです
不思議な気分です
ほしいものがありません
必要なも ....
これは天使の羽の痕なの。
肩の傷跡を指差して、
彼女は笑う。
ここに白くておっきな羽があって、
ばさばさばさぁーって羽ばたいて、飛べたの。
でもね ....
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