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「免許を取るには、年齢位の金がかかる」
誰かさんが言ってた通り
33歳にして33万という金を
母ちゃんは惜しげもなく貸してくれた
二俣川で筆記試験に受かり
初めて免許を手に ....
飲み屋を出たばかりの
ほてった{ルビ頬=ほほ}を夜風に受けて
改札に入ってゆく
友の背中を見送っていた
気がつくと
「友情」という像の前に
僕は独り立っていた
....
街灯に照らされると
夜道に私の影が伸びた
どこまで歩いても
影は私についてくる
( どんな時も、ひとりじゃないよ )
立ち止まる 私をみつめ
黙った姿で影は{ルビ云 ....
酔っ払い
どこまでも寂しくなる夜
赤くほてった顔でふらふら歩き
電信柱に額をあてて寄りかかる
辿り着いた
バス停のベンチにへたりこみ
夢に見る
愛しき君 ....
{ルビ滑稽=こっけい}な自分の姿を{ルビ罵=ののし}られ
哀しい気持で歩いてた
帰って来た家の門の
足元に置かれた
ハロウィンの{ルビ南瓜=かぼちゃ}
皮をくりぬいて
....
体のまあるい婆ちゃんが
ぜいぜいと団地の階段を上っていた
通りがかりの少年は
後ろから両手で腰を抱えて
ゆっくりとした歩調と合わせ押し上げた
( 振り返ると
( 団地の ....