仕事中の脳味噌はとてもヒマだ。
だからビスを締めながらあたしは考える。
一日に24時間あるわけで、A勤かB勤の場合は8時間拘束、
AB勤は16時間拘束、C勤かD勤のときは12時間拘束。
通 ....
その駅のトイレには
便所童が住んでいる
とても疲れて寂しい夜
わたしは酔っ払って
その駅のトイレに寄る
3つある個室の真ん中に入ると
そのうち
両脇から
声が聞こえてくる
....
手のひらを包みこむように
五本の指を握り固める
これが拳
ぐっと握りしめ頭上に突き出せば
シュプレヒコール
これは遠い過去の苦い思い出
ぐっと握りしめ目の前に突き出せば
血の雨が ....
かなしい夏 ?
夏の首すじが
眩しい
何もすることのない午後
空気さえ発光している
しなやかな夏のゆびさきが
飽きもせずあやとりしてる
夏はあの木立のてっぺんあた ....
今夜
おれは冷めたグリーンカレーを
丁寧に温めなおして
ひとり寂しく食べたよ
白い腕輪のことを考えながら
クーラーの効いた部屋で
ビールを飲みながら
グリーンカレーを食べたよ
....
猫の手も借りたいくらい
忙しかったりしてる時も
日溜りで遊んでいる
となりの猫を掴まえて
手をとってバンザイさせてみたり
ぷにぷにの肉球を瞼に押し当てて
和んでみたり
そんな時間はあ ....
私は夏雲のあるこの空に
人差し指を差し込んで
この青空の
その底にある
人肌の群青に触れようとする
そのぬくもりは昔日の
小さなおまえのぬくもりに似て
あわあわと崩れそうにゆれる
いつ ....
僕のノートパソコンは頭が良くて
いろんなことをスマートにこなす
僕が逆立ちしたってできないような計算とか
僕が覚えていられないことをいつまでも覚えていたりとか
ゲームとか、OpenGLとか、簡 ....
もう着古した服みたい
わたしのからだ
アイロンかけたり
クリーニングに出したりして
どうにか綻びを繕って
お出かけに着ていくの
どこへ行くにも
着ていくの
サプリメント
ダイエット
....
どろどろに
くさってしまったから
もう
あわないほうがいいとおもう
じゅわきのむこうの
こえはかすれていました
そんなのかんけいない
へいきよ
って
いえませんでした
じゅわき ....
ボクは君を
幸せにしないでしょう
それと
逢いたい気持ちとは
別
小さなパラソルに
寄り添って歩く
少しだけ
雨が降って
それ を知っているから それ を許せる
それ を知らなければ それ を許せないままもっと子供の様に無邪気に残酷に
{引用=ほら 見て
波の向こう
青い火が燃えてる
あれは きっと
妖精の燃えかす
薄い羽を残した空蝉のような}
ダーリンはそう言って
私の肩を抱きました。
抱かれたその手は節く ....
煙草を吸って待っていたのに
人間観察をして待っていたのに
スタバのコーヒー片手に待っていたのに
既に全ての行動に飽きても待っていたのに
テメェアホ面で遅刻すんじゃねェ
とか
ゴ ....
兄はケッコンしてつまらなくなった
と
私は思う
別段
破天荒な人生などではなく
公務員の次くらいにお堅いお仕事
今ドキの中学生に現代文やバスケットなどを
教えているらし ....
13年ぶりの大きな地震があった
あの日の午後
僕は都心にいたから
あわてて君の携帯に電話したよ
でも、何度電話しても繋がらないし
メールを何度送っても返事はこないし
山手線は何時までも止ま ....
捨てても
突き放しても
打ち寄せる時が
押し戻す
もう逃げるな
曇った窓ガラスに
家の印をつけて
それから
母の勤めている店の印をつけて
でたらめな道でつなげる
窓が汚れるから、と
後で怒られたけれど
それがわたしの初めて描いた
世界地図でした ....
僕はいつでも
丸いから
君は僕の襟足を鷲掴み
えいっとばかりに
放り投げる
どんなに空高く飛んでいっても
僕は君の胸元に ふらり舞い戻る
それが僕の愛 ....
詩人は死人によく似ています
夜、詩人のベットは
右脳の花々で埋め尽くされます
どんな色の花なのかは
夜がこないと分かりません
詩人はよくよく盲目です
....
それはすてきな
なつのそらを
かついでかえったのに
いない
なつくさのみどり
たっぷりと
しみこませたのに
いない
さっきとったトマト
しおかけて
きゅーっとうまいのに
....
暗雲が 死んだ
雨が 遊女だ
な
なな 男よ
暗雲を 如来に
弔えさせろ
骨が 浮かんでいる
あ
ああ
骨が ふってくるのか
暗雲よ 生きたまま
未来は 明るい
....
とてもきれいなかけら
落ちていた
わたしは拾って
手のひらに乗せた
良く見るとそれは
パズルのピース
きらきら輝くそれはたぶん曼荼羅
曼荼羅のピース
「さあ!これから他のピース ....
でっかいハーンバーガみたいな名前のそいつは
遡ることを僕らにはさせずに今モなおつづいていて
とどまることをやさしくみまもりながらも
波の狭間のよう ....
朝、目覚めると妙に冷静な僕だから
君との将来についても
じっくりと話せそうな気がする
だけど、陽が昇るにつれて
「まあ、いっか」
そんな気分の僕に戻っていく
陽が暮れて夜になれば
....
おとうさんは帽子と靴だけになって
夏はかなしいですね
おかあさん
虫は人になれないけれど
人は虫になれる
と母は言う
両手と両足を地べたにつける
そうやって虫の産声に耳をすま ....
腕の中で燃える子供を
抱きしめながら歩いてく
私自身が
すでに 廃虚だ
それでも
生きていくこと
人は
人である前に
影かもしれない
煙が隙間を埋めていくので
わたしは思わずフタを開きました。
殻の中を出たいと思っても、
そこまでひらめく元気はありませんでした。
煙が抜けたときに
貴方はとっても怪訝な目をして、
煙を ....
初めて道を歩いた人はどんな人だったろうと
ものすごく高尚なことを
考えていた朝であったけれど
眠ってしまった
目が覚めてしまうと
体中にぐるぐると包帯が巻かれている
木乃伊取りの夢なん ....
レモン水一口飲んでいる間に
地球が生まれ
消えていきました
桜がとてもきれいだったので
あなたに伝言を残そうと思いました
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