すべてのおすすめ
この世界
この大地
この地球
に
性別があるとしたら
女だ
勝手に征服され
勝手に耕され
勝手に区分けされて
でもあまり
関係無い
ほんとは
関係無い
そ ....
ねこおやじは
ねこのおやじ
言い換えると
ねこの父
いつも涼しいところで
目をつぶってる
ねこおやじは
エライ
妙に情を
かけたりしない
常に
クール
....
ここはどうも、とても乾いた場所のようだ、
湿度計は40%、まぁ普通みたいだけど、
でも喉が乾く、乾いてしかたない。
明日のことは明日になってから考えよう、
今日はゆるりと流れていく、
サ ....
波打際から少し離れた砂浜で亀が死んでいた。
漂着したパイナップルか自転車のサドルみたいだった。
もう空は暗くなり、湾岸線のオレンジの光が砂浜に広がっていた。
亀の ....
入院病棟の生暖かい清潔な
空気を吸いこみ眠る
窓の外に見える
看護師寮では
真夜中にドアが何度も開閉する
夢を見るほど深くは
眠れない午前三時
静かに誰かが走り
病室の前を駈け抜ける
....
抱き締めると
温かい
生臭い
小さい
にこにこ
作るのは
とてもかんたん
目をとじて
受け入れる
いろんなこと
目をあけていては
だめ
明るい朝に
プリン食べてね ....
金魚がつい食べ過ぎてしまうように
ぼくらは
怖気づく理性とはまったく関係なく
いうなれば すこし過剰なものたちです
狙ってみてしまっては 思ってもないことを
寝転んで指差した机の脚の ....
琥珀色したウイスキーの様に詩をねかします
夜寝る前のぼんやりとした頭の中に
色んな香りや味がする言葉を放り投げて
樽の代わりに夢の中で
自分でも思いつかない言葉が時折
隠し味とし ....
雲のない
ブルー・スクリーンを仰ぎ見ても
語るべきものなど何も残されていない
サイレント、ひとつ
崩れながら包み込まれる
ネイティブ・アメリカンに
インディアン・サマー ....
妻にテレビゲームをさせるRPGだRPGと言っても妻は何のことかわからないに決まっているそれどころか「たたかう」の意味さえ知らないに決まっている決まっているのに妻にテレビゲームをさせる主 ....
お借りしていたものをお返しいたします。
と、鍵を送りました。
怪我をしないように、布織紙に包みました。
手紙を添えました。
精一杯の優しさなんだろうと、
直属の上司が電話をしてきました。 ....
20時半発の夜行バス
わたしは財布片手に飛び乗った
12時間かけて向かう先は東京
海山川を越えて
わたしは東京に向かう
ただ埴輪に逢うために
前の席に坐ったサラリーマンのいびきに
仕 ....
踏んだ
二度、踏んだ
違う
全然、違う
今、キリギリスの話は全然していない
イメージするということ
たとえば
ゴキブリいっぱいのプールに放り投げられるということ
眠っている間に鼻の穴から寄生虫を入れられるということ
イメージするとい ....
あなたのことが気になって
気になって
眠ることができなくて
あなたのことばかり考えていた
翌日、八百屋に行き
店先にあなたが並んでいないのを確認すると
ようやく安心して眠りに落ちた ....
ロマンチックは
たったひとりの食事のようで
たったひとりのセックスみたいだ
ロマンチックは体では作ることができない
言葉
はロマンチックを形作る
ロマンチックはカタカナなので
哀愁として ....
ネギを買いそびれて
僕たちはネギの話ばかりしていた
こんなに真剣にネギの話をしたのは
何年ぶりだろう、なんて
今でもネギを見ると
あの日のことを思い出す
だから僕は
ネギを食べなくな ....
テーブルの上に何かを忘れてきてしまった
いったい何を忘れてきたのだろう
それは大きなもの
ではなかった
かといって小さなもの
でもなかった
賞味期限が切れそうなもの
でもなく
....
隣りでは君の咳が止まらずに
ウイルスが部屋中に降り積もって
負けじと僕も僕のウイルスを飛ばしながら
お互いのウイルスは僕らと同じように仲良くしてるのかなんて
そんなこと
ど ....
妻と相談して
家にエレベーターを取りつけることにした
けれど、取りつけた後で
この家には二階も地下室も無いことに気が付いた
ボタンを押すと
チーン
と音がして扉が開く
上にまいりませ ....
腰のものを赤く染めて鳥が鳴く。
うぶめ、と呼ばれる鳥である。
産の穢れに死んだ女は鳥となる。
ほう、と鳴くが聞こえるか。
生まぬとしても女は女と男は言う。
うぶめの悲しみを知らぬは幸福と ....
大橋川近くの酒場で
降る雪を
窓越しに見ていた
街灯の灯りの向こうを
大きな海亀の甲羅が流れていった
哄笑と囁き
古いジャズのスイング
青いソフトに降る雪は・・・
触れ合うコップの ....
目醒めて夢をみたのか
夢のなかで醒めたのか
ともあれ俺は夢のなかで
不意に見出したのだった
油絵具でかっきり描いたような無人の街と
そこにたたずんでいる俺自身を
夢なのだから飛べるはず ....
遠くまできてしまったね。
遠足だものね。ね。
引率の先生が伸びをする。
先生は元気がいい。
わたしも背筋を伸ばしてみる。
ぐきぐきと筋肉やら骨やらがきしむ。
なんだかわたしはすこしつか ....
太陽は権力の匂いがする
スピキュール、フレア、黒点、がひろがる
すべすべした君の肌から黒いレモンが香る。
君は喪服でフランス人形みたいに愛くるしくて
黒いレモンのペンダントをしていた
泣 ....
クーラーが壊れたので暑くてたまりません
床屋さんは窓を全部ひらきました
床屋さんは手をよくあらって
よごれて刃こぼれした剃刀を捨てて
血みどろの店内を掃除しはじめました
明日は火曜 ....
いっこうにかまわないよ
赤唐辛子まるごとでも
肉厚のにんにくひとかけ
適当に刻んで
汗ばんだ体温で茹でるスパゲッティ
沸騰する茹汁の泡々
鍋に浮かぶひとかたまりの雲に
見入ってしまう
....
昨日、詩ができました
世界の飢餓を嘆く詩でした
あまりによくできていたので
ごはんをいっぱい食べました
昨日、詩ができました
戦争に反対する詩でした
あまりによくできていたので
朗読 ....
ハピネス。
幸せについて語ろうとすれば
それは光のように輪郭をなぞって透けていく
影はすべて
光を雄弁に語るハピネス。
流れ、を捉えることが難しいのと同じくらいに
私たちが生き残るのは ....
彼女はびしょびしょに濡れた服を着て
この服いいでしょ
といった
ぼくは濡れてるから着替えた方がいいって
いったけど
彼女はそのうち乾くから平気だよと
まったく気にしていなかった
....
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