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ホームセンターで
子象を買って帰る
前から欲しかったので
お金をコツコツと貯めていたのだ
家族の喜ぶ顔が見られるとも思ったが
案の定こんなもの買ってきて
と妻に叱られる
「詩とは違うんだ ....
魚は
夜に鳴く
なくした
ラッパを思って
+
砂糖瓶を
よく洗って石段に
並べていくと橋を渡る
来客があった
+
探し物の
予定のない日
菜の花畑で一人
ラジ ....
明日は
地球最後の日
あなたは
きっと忙しいから
今日
少しだけ逢いましょう
私は
すぐ戻ります
あなたもね
勇気をありがとう
少しだけ
やさしくなれた
こころの
太 ....
彼氏ができました
毎日がドーパミン全開の日々
ウキウキハイテンション
さて
わたしはふと考えた
今はこんなに彼のこと大好きだけど
よくよく思い出してみれば
前の彼氏のことも本当に好きだっ ....
朝起きるとボスだった
眉間に深い皺が刻まれていたが
特に不満があるわけではなかった
煙草をつまんで深々と吸い込む
ブラインドはない
のでカーテンから覗く
何ということのない休日の朝が広 ....
「もしも君が」
と書き始めて
「もしも」
という
仮定の話はやめようと
ふと思った
「もしも」
なんてことは
「もしも」
だから
そんなこと考えるだけアホみたい
自分を探してもど ....
酔いのまわった宴会の帰り
どっか行こう
って誘ってみた
絶対
ついてくると思った
勢い良く
地下鉄に走りこんだら
すでに息が切れていた
駅を三つくらい行く間に
すでに醒めていた
....
イイイイイイイイイイイイイ
大丈夫ずっと元気でいられる方法はある
大きく!大きく!大きく!
イイイイイイイイイイイイイ
脳天から左右に割れるよ
口の周り涎だらけになるよ
大丈夫 ....
ボンネットの上で暮らしながら
おれは浮き輪の目立つ格好をしている
二酸化炭素が好きで
画鋲がきらいだった
クレヨンの先がつぶれて
壁にめりこんでゆく
....
9号室のミズノさんの指は、
ときどき奇妙に震える。
登山中の滑落事故で全身麻痺、
凍傷に損なわれた右手は人差し指だけを残して。
そのまま数十年を経て皺んだ指、
その指が何かを書いてるよう ....
亜熱帯
別世界
スコール
気狂いじみてるホンコンヤン
偽物の時計
黒土色の手のひらの中で時間を流し続けてる
屋根の壊れた二階建てバス
頭のてっぺんをかすめるネオンサインネオンサインネオン ....
ビオラとフィドル
天体になって雨上がりの夜に浮かべ
おれは酩酊状態馬の夢鹿を数えて眠ります
背の高い茂み
オーキードーキーとマンマミア
クロスロードブルースとシュガーマグノリア
息を凝らし ....
天井がずいぶん高いなって思ったら空だった
わたしはいろいろ忘れてしまった
エレピの音が恋しい
必要ないのに笑うのはやめようよ
遠くでたくさんの音が聞こえる
とても賑やかだ
コーラ飲 ....
孤立無援の戦いだった
でもようやく光が見えてきた
本当にしんどかったよ
火星人どものことや
カレーうどん振興会の正体が
みんなにも
だんだん分かってきたらしい
....
石灰岩を持ち出すと秘密が暴かれる
理科室の白衣はいつもハンガーにかけてあって生きてるみたい
夜十時にすべての生徒がその話を思い出し
目を覚ます時のテレパシー
放射状に伸びてちらばる色付き針金
....
アルコールのキッスじゃあ、
このせかいもしびれたまんま、
しちゃうよ
そろそろ終わろうよう、
ねえ、
そろそろあんたは終わりだよ
って、
言ったでしょ
あれもこれもぜーんぶ ....
ノックの音がした
開けるべき扉が無いので
少女は熱のように
野原を走り続ける
発汗を繰り返した後
最近覚え始めた文字に似せて
自分の名を地面に書いた
海の近くに住んでいると
ま ....
そして石橋さんは
いつまででも女だった
組んだ足から少し見えちゃった
レースのシミーズは
夕方飲まれるべき紅茶の色をしていて
まるで時間なんて関係ないわ
というばかりに
....
やさしいあなたはわたしの何倍もやさしい
わたしはすぐになにもかもあきてしまってやさしくなんかないのに
あなたはわたしを許すとか許さないとかじゃなくただ
いろいろなことをやさしくこなし続けている
....
むかしね
月経の血を集めて
煮詰めて
お薬を入れて
人間を作ろうとしたんだって
あれは本当よ
そしてできたのがわたし
上手くできたでしょ
さあここにも入れてみて
どんな具合がする ....
もう何も食べられないわ
だから勧めないで
早く二人だけのところに
行きたいの
もういっぱいいっぱいで
何も食べられないわ
恋の矢がささって
その先があなたの手に
ぐりぐりと傷跡こじ ....
言葉のひとつひとつに歓声があがり
思い思いに笑い転げ
級友たちの恋の話は
昼休みの教室で佳境をむかえていた
数年も経てば
誰もが通る道である
ということを知るのだろうが
その前に ....
山です
どすこい
山脈です
どすこい
太平洋側からの地震止めてます
どすこい
ってゆーかわたしが重すぎるだけなのか
あのさあ
どうだっていいけど
入ってくるな
登山
キャンプ
....
おいでよ
ここに
夕日のきれいに見える
この部屋に
あなたが好きな
あのお茶も
用意してあるよ
もしも飽きたら
コンビニにでも
行けばいい
きっと何か売ってる
あと一 ....
1
あのお姫さまみたいにうそぶくあなたのその声の中では
死んでしまった方が、良いのですか
初めてそんなことを思いながら
今日もピンを刺します
このピンでは、手のひらを
1センチだけ ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする
抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ
産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした
今も少し
する
....
私、六十七歳。
紫色が大好きです。
今日はとても暑いので
紫の糸で編んだ帽子をかぶって出かけます。
よく似た色のスカートで合わせました。
薄く口紅も塗りました。
私、六十 ....
ああ、酔ったままにどうしようかと思う按配の惨事だ。ファイヤーワークス、うなだれて。世界から消える準備は出来ているんだ。起き上がってすり抜けてこのまま、窓をかき開け抜けるイメージでほら、飛べるかもしれな ....
パンダ部の先輩は
いばってる
パンダ部にいる人は
出世が早いという噂
コアラ部の部長は
いつも深刻な顔してるけど
その割に
取り越し苦労が多い
ゾウ部の女性社員は
いつも大量の書類を ....
誰もいない 静かな森の中で
私は手紙を書き始めた
一行書くのに 三ヶ月ほどかかった
四行書き終えて 一年が過ぎた
足の先が 少し土に埋れていた
何とか四十行 書き上がった
木の椅子か ....
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