なぜだかいつも
幸せのあとには不幸がやってきて
心のバランスが保たれる
希望はどんどん膨らんで
時に
希望のほうが重く
ドロップ缶 カラカラ鳴らして
君と歩いて
いつから蹴り始めたのか
解らないその石を
君はテンションに任せて
思い切り蹴り上げ
ガシャーンと
どこかのガラスを割ってしまって
....
君は幾つの仮面を
持っているんだい?
朝の顔、昼の顔・・
そして夜の顔
君のどの顔を
信じればいい?
いや、どれも全て
仮面かもしれないな ....
お嬢の小唄を
宙に放れば
おてんと様が照らしてくれる
小僧の小唄を
地に撞けば
根っこの隅々しらべてくれる
手毬唄、ひとつ
この手に優しい
中身かどうか
優しくこの手に帰 ....
なすときゅうりの馬なんて
のれないよねえ とつぶやいたとき
お兄ちゃんは
ひらたくて少し冷たい手のひらで
あたしの手を
つかんでいた
じいん と鳴る
すずしいかぜに
....
私小説というものがほぼ死に絶え、小説はエンタテイメントとして書かれ・読まれ・消費されるものになって久しい。それに対して、詩というものは、未だに“私詩”とでも呼ぶべきものが大半を占めているように思える。 ....
虫の声がそこかしこで聞こえる。透明の日の光が木々を潜り抜け降り注いでいる道を通ると、もう白いシャツはじっとりと汗で湿り出す。前髪が額に張り付くのを指で払いながら、一歩一歩前に進んでいくと、小綺 ....
唇で、
嘘をついて、
君の中に、
忍び込む。
舌には舌で、
指には指で、
嘘をついて、
君へ、
滑り込む。
甘い汗、
舐めて、
蜜。
吐息、 ....
梅雨の雨にキスをして、
みなさんじめっとさようなら。
空っぽ空にキスをして、
みなさんからっとさようなら。
太陽の果実にキスをして、
みなさんおいしくさような ....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた
それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに
鶴を折っていました
それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき
その子 ....
大きな花火があがります。
小さな花火もあがります。
中くらいの花火もあがります。
きらびやかな色という色が
夜空を照らすのではなくて
夜空を背景にして
星の合間 ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
深々と 静寂な
海にたゆとっていたいんだ
言葉の羅列の大通り
耳を塞ぎたいときもある
その合間にも
世界は回転している
触れるのは少し痛そうだから
ベンチに深く沈みこんで
とり ....
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