時を刻むより他に
自分にはすべきことがあるんじゃないか
時計は思った
けれど何をしようにも
手も足も出るわけがない
ただ柱にぶらさがって
そこはそれ時計の悲しい性なのだろう
正確 ....
ああ 空に降る
冷たいしずくよ
どうしてそんなに
私のほほを濡らすのか
ああ あの暗い空から
美しいしずくが
いくつも沈んできて
今ここで つどうのか
冷えた手足は
あやしく ....
もともと
あてになる眼ではないけれど
それでも
夕陽の色彩くらいは
心得ている
川辺は 減速を始めている
木立は 瞑想を始めている
鳥達は 安息を始めている
あきらかに夕陽の時 ....
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