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君が勢いよくカーテンをあけるから
まさに零れ出ようとしていた光が
勢いよくぼくを包み込む
その白い肌は朝に満たされて
なんて君を美しくさせるんだ
たった今ぼくのなかも
朝が通り抜けて行った ....
夏葱や魔法使へた少年期
麦藁帽誰かの思い出波に消ゆ
夏草や旅の鞄に陽が落つる
開け放たれた窓から
夜風がカーテンを揺らし
月の光がこぼれだす
少女の眠れぬ夜はするどく
闇の中へと切りこんでいく
少女がひとさし指で
空をなぞるように
星の数をかぞえている
....
身体をふいにすりぬける
風にそっと教えてもらった
この世界は未完成なんだって
そういえば海の色は
まいにち
まいにち
違う色
水たまりにうつっている
ぼくの顔は
ただただ遠くを
....
雨の日に
美術館の裸婦像は
艶やかに
やがて本当の姿を見せるだろう
ぼくも同じだ
ぼくの想いは風に乗り
雲と流れて地球儀の裏側の
ひとつの地平となるだろう
暖められた卵のように
....
少年は手にもっている一つの林檎を空に向かって投げる
するとそれは翼を拡げる鳥になった
少年は青い空が好きだった
空の中は永遠に汚れぬ世界であると信じていた
少年はどこまでも途切れぬ煙突 ....