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厳格な王様がいた
優しいお姫様がいた
富める者がいて
貧困と差別があった
内外で争いがあり
子どもたちは時々
壁にもたれかかって
よく笑った
忘れる人がいたけれど
同じように
 ....
 
木陰で体温の
呼吸する
と、内と外とが入れ替わり
境目に懐かしい
わたしのかたまりがある
施設の人と集配車の運転手が
簡単な口論をしている
近くのベンチで関係のない
小柄な男性が ....
ポケットが汚れ始めている
待合室は朝から眠たい
何かの整備工の人が
口を動かしている
語りかけるように
沈黙を選ぶ言葉があった
目を閉じようとすると
少しばらばらになる
水が優しい濃度 ....
 
 
やさしみの
さかなが
しずかに
みなもをおよぐ

やわらかな
さざなみは
しあわせなきおくを
みたそうとする

やきつくされたあさ
さいれんがなりひびく
しきはまた ....
木陰に砂糖菓子のような
駅をつくって
少女は列車を待ってる

関連づけられるものと
関連づけられないものとが
交互に、時には順序をかえて
やってくる
皮膚に触れば
それは風のことだと ....
 
 
午前、すべての音を忘れ
掌からこぼれていく
ものがある
極東と呼ばれる
工業地帯のある街で
あなたは忘れられない
いくつかの日付をもち
数えながら折る指に
僕は気づいてはい ....
  
 
庭に雑踏が茂っていた
耳をそばだてれば
信号機の変わる音や
人の間違える声も聞こえた
ふと夏の朝
熱いものが
僕の体を貫いていった
雑踏は燃え尽きた
かもしれないが
庭 ....
41

市民会館の大ホールを
ゼリーは満たしていた
屋外では雨が
土埃の匂いを立てている
観客の思い浮かべる風景は
みな違っていたが
必ずそれはいつか
海へとつながっていた


 ....
 
 
31

世界が坂道と衝突する
アゲハチョウの羽が
誰かの空砲になって響く

内海に
大量のデッキブラシが
投棄された夏

遠近法のすべてを燃やして
子等は走る

 ....
21

カレンダーを見ると
夏の途中だった
日付は海で満たされていた
子供だろうか
小さな鮫が落ちて
少し跳ねた
恐くないように
拾って元に戻した



22

フライパ ....
11

ジャングルジムの上で
傘の脱皮を手伝う

またやってくる
次、のために

海水浴の帰り道
人の肌が一様に湿っている



12

ピアノを弾くと
鍵盤がしっとり ....
「序詞」

ゆりかごの中で
小さな戦があった

理不尽な理由とプラントが
長い海岸線を覆いつくした

けたたましくサイレンが鳴り響き

その海から人は
眠りにつくだろう
 
 ....
雨やみて雲雀の飛んだ水たまり

何を見て驚いたのか鯉のぼり

紫陽花がたくさんのいろ人みたい

桃をむく香りと北へ寝台車

空目指し向日葵たちが背比べ

アリが来てわたしの足を ....
光合成が不得意の僕らにまた夏の陽が降り注ぐだろう


屋上のベンチに座り互いの塩分濃度を確かめ合った


生き物の忘れていった生ものが機体の上で腐りかけてる


メデューサが美容院に ....
 
バスに乗る
名前だけが剥がれていく
何かの間違い、というより
むしろ略式でも正しいことであるかのように
良かった、わたしたちは
バスに乗られることがなくて

席に座り
バスの一番 ....
 
 
玄関に傘が一本
ギロチンのように
あった
昔こんなもので
人が酷い目にあったのだ
と信じられないくらいに
静かな朝だった
やがて傘は
扉を開けると
仕事机のような格好にな ....
 
 
水底に
動物園はあった
かつての
檻や
岩山を
そのままにして
いくつかの動物の名は
まだ読めたけれど
散り散りの記憶のように
意味を残してなかった
あなたは月に一度の ....
 
静かな言葉に騙されて
武器を売り続けた

いくつもの春を泳ぎ
疲れれば
もの言わぬ記号に似ていた

河口に人の死体が流れてくる
知らない人ばかりだった

知っていたとしても
 ....
 
小さなバス停を飼った
小さい割にはよく食べた
それでも店員の言ったとおり
あまり大きくはならなかった
一日に数本小さなバスが停まった
行先はどこでもよかった
夜、明かりを消して床に着 ....
 
デパートに難破船が漂着する
甲板をいじくり
あなたは指の先を切った
立体駐車場から汗など
生活、の匂いがする
立体であることはいつも淋しい
家具売り場でかくれんぼをしている間に
誰 ....
 
ある日ふとあなたは
わたしの優しい母となり
慣れないヒールの高い靴を履いたまま
図書館のカウンターのはるか内側
シチューを煮込んでいる

戸外、三角ポールの静かな
駐車禁止区域に来 ....
つぶれたステーキハウスの駐車場に
制服を着た男の子と母親らしき人が立っていた
二人でじゃんけん遊びをしていた
昨日も同じところにいるのをバスから見た
違う遊びを楽しそうにしていた
毎日あ ....
今夜半過ぎ
関東から東海地方にかけて
優しいものが降り積もるでしょう
と、予報士は言った

翌朝
優しいものは降った様子だったけれど
予報どおりに積もってはいなかった

私たちは ....
 
コップの中に
クモが死んでいた
窓からは小さな光が
降り注いでいた
懐かしく干からびて
良く見ると
キリンの死体だった
外に運び出さなければ
と思うけれど
大きすぎて
どこか ....
 
たくさんの鳥

そして少しの懐かしい人を乗せ
他に何も無いような空港から
飛行機は飛び去って行った

覚えていることと
忘れていないことは
常に等量ではない

夏の敷石の上で ....
書庫の扉を開ける
水の中になってる
たぶん海なのだと思う
昨日まで資料や本の類だったものが
魚みたいに泳ぎ回っている
手を伸ばして一冊つかまえる
ページを開くようにお腹を指で裂くと
文字 ....
買わなければいけないものがあるのに
あなたはまた、あなたに似たものを買ってしまう
部屋はあなたに似たもので満たされていく
あなたに似たもののほとんどはいらないものなので
あなたに似たものがなく ....
一番線のホームを
羊の群れが通過していく
海の近くに
美味しい牧草地があるのだ
その後を
羊飼いの少年が
列車でゆっくりと追う

夕暮れ近くになると
列車に羊を乗せて
牧舎へと帰る ....
 
採石場の跡地を
ヒトコブラクダが
ゆっくり歩く
かわいそうな気がして
コブをもうひとつ
描き足してあげた
耳の奥を覗くと
夜が明けるところだったので
慌てて帳面を閉じた
 
 
 
 /雨が降ってる
  小さな砂漠なのだと思う
  講師は教壇に立ち
  黒板に自分の名を書く

  「倉持康雄」


はじめまして、倉持です
皆さんにとって実りのある研修 ....
千波 一也さんのたもつさんおすすめリスト(224)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
美しかった国- たもつ自由詩307-9-20
九月にたなびく- たもつ自由詩807-9-19
その海から(理由)- たもつ自由詩1607-9-2
その海から(やさしみ)- たもつ自由詩40*07-8-28
その海から(DIVA)- たもつ自由詩907-8-23
その海から(予感)- たもつ自由詩807-8-22
その海から- たもつ自由詩2207-8-14
「その海から」(41〜50)- たもつ自由詩1407-8-4
「その海から」(31〜40)- たもつ自由詩1107-7-27
「その海から」(21〜30)- たもつ自由詩20+*07-7-23
「その海から」(11〜20)- たもつ自由詩2207-7-20
詩群「その海から」(01〜10)- たもつ自由詩31*07-7-17
雑季- たもつ俳句13*07-7-16
真夏の記念日- たもつ短歌1207-7-13
ひきつづき- たもつ自由詩1807-7-12
パラソル- たもつ自由詩907-7-11
動物園- たもつ自由詩2907-7-9
武器商人- たもつ自由詩1707-7-5
- たもつ自由詩1307-7-3
デパート- たもつ自由詩1007-7-2
- たもつ自由詩1507-6-30
じゃんけん- たもつ自由詩707-6-29
坂道- たもつ自由詩1607-6-24
宿題- たもつ自由詩507-6-23
綴じ代- たもつ自由詩2607-6-21
書庫中- たもつ自由詩3407-6-19
無数のあなた- たもつ自由詩1607-6-14
行程- たもつ自由詩1907-6-11
- たもつ自由詩2407-6-10
雨音- たもつ自由詩1607-6-8

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