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歪んだ陶器のティーカップに
微かに波打つ紅茶の中で
{ルビ一塊=ひとかたまり}の砂糖が溶けてゆく
長い間 抱えていた悩みのように
「着々と時間が解決してるじゃないですか」
カウンター ....
自らの愚かな手で
目の前をさえぎる沼を
つくり出してしまった時は
でくのぼうとなって立ち止まり
かけがえなき友の背後から吹き抜ける
風の言葉に耳を澄まそう
私は木になりたかった
幾 ....
今朝も電車の中で
僕はすし詰め
くたびれた背中のお米達に
すき間なく囲まれて
まぐろの気持が少しわかった
目を閉じると
あのきれいな木目の板へと
運ばれてゆくのを感じる
「 ....
鈍く光る銀色のドアノブをひねり
といれに入ると
窓辺にはうす桃色の{ルビ薔薇=ばら}が咲いていた
水色のすりっぱには
背中合わせのふたり
男の子は贈る花を背に隠し
女の子は四葉のクロー ....
右手にもったきゅうすを傾けたら
青い湯飲みの底に花が咲いていた
一瞬にして
そそがれた緑のまどろみの下に
花は消えた
この湯飲みで
数百杯の茶を飲んでいるというのに
知らなかった ....
深夜の駅のホームを飛び降りて
線路の上に独り立ち
北風に吹かれながら
オリオン座の方角へと吸い込まれるように
敷かれた線路の向こうに待つ明日を
全ての葛藤を貫ぬいて光る眼差しで{ルビ睨=にら ....
千波 一也さんの服部 剛さんおすすめリスト
(186)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
Cafe_Le_Poete
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服部 剛
自由詩
3*
05-6-17
羊雲を仰いで
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服部 剛
自由詩
14*
05-5-25
すし詰め
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服部 剛
自由詩
11*
05-2-28
といれのかみさま
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服部 剛
自由詩
6*
05-2-24
顔のうらがわ
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服部 剛
自由詩
10*
05-2-13
迷える若人へ_♯2
-
服部 剛
自由詩
8*
05-2-5
1
2
3
4
5
6
7
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