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私よ、泣くな。
その容易い涙が、ほほをつたうたび
胸のどんづまりにあるお手玉のようなものが
ぎしぎしと潰れて、たまらない。
私よ、泣くな。
のどの奥にしまい込んだ感情を
涙とと ....
針を折るような音が
遠くで響いたり
単調な反響をくりかえし くりかえして
吹雪が去っていく
そして
おしよせる
春がじわり地をはい
足元を湿っぽくさせ
春が舞い
町 ....
背中にふれる髪は
ここまで伸びた
毛先をつまむと3年前の記憶が
染み込んでいそうで
笑える
きいろい花はいっぱい咲いて
まばたきをする
すぅぃと踊らされて
闇をきる
ゆっさゆ ....
大根の筋に見とれ
頭の真ん中が
すいと 浮かんだ気がした
ぼんやりと 窓辺で眺めていると
水色の自転車が
昼光の泣き声と共にやってきたので
天国から迎えに来たのかと思った
....
時折流れつく蜜柑の
丸みに潜む甘い臭いに誘われて
流れつくイヴの波は彼方より
来る日も妄想しつづけた姿は
脚色をおびて尚一層輝く
焦がれて乾いた唇へ
一房与える
鼻の奥まで注がれる豊香
....
瞬く間に
ホームは行く
狼は走る
涎と舌を垂らし
加速する列車を追いかける
黄金色の眼光
離れ小島の青船
点々と帆を広げる
君が去ってゆくのか
僕が去ってゆくのか
フラット ....
濡れた紙が降ってくる
手で破いたように
様々な容姿で舞い
白く空を遮る
ペタリと壁や信号機に張り付き
人々の頭は皆ライス大盛り
足早に歩く人の足には
待ってくださいとばかりに
大きな ....
遠くに咲く
桜の写真
浮かべて 流れて
さらに さらに 霞みゆく
Gが高めの空気
追いかけていきそうになる沈黙へ
花びらが散る
クリスマス、雪に見立てた紙吹雪。 ....