すべてのおすすめ
 カゲがひとつ減った
 またひとつ減ってこれでは
 カゲの家族が家族ではなくなってしまう
 カゲの家族の個々のカゲすらなくしてしまう

 とつぜんの惨劇ではなく
 しのびよって ....
 冬の断崖にたつ理由は
 自殺か
 他殺か
 イノチを落とすためばかりではない
 のこされた者が
  ―― その
 波濤を眼下にする行為に釣りあう不条理感の
 くるしみ
  ....
 いくつもの
 ヒルとヨルとを重ねあわせた
 一枚の都市の風景画と
 そこのみで生きる人物が描かれているとして
 かれは
 どこのマチカドを
 いくど
 折れまがり
 バス ....
 すれちがったトラックには
 零れるほどのいのちが
 ひしめいていた

 通勤車両ではこばれる
 ひとみたいに
 いっせいに体をゆらしていた

 くろい体毛
 くろい顔
 ....
 あんなにも忙しくぼくの脚はうごいていたのに
 それいじょうに
 踏みしめていたものの方が素早いなんて
 なので、いつまで此処にいられるか
 ぼくはじっさい
 心もとない気分です
 ....
{引用=
 草の先を
 むすんで
 おくのだという

 悪戯心
 という
 生易しいものではない
 もっともっと切羽詰まったもので

 おさない死児が
 先に逝った親しいもの ....
 死んだら二十八グラム体重が少なくなるって
 それがひとのタマシイの重さらしいよ
 と、どこから聞いてきたのか
 娘が言う

 父はおもう
 タマシイに重さがあるなら
 物質 ....
 マヨルカ島にふきよせる地中海の青い風をすくいとる
 ピアニストの手のひらは白い
 葉叢を束ねる小鳥のさえずりに頬ずりをして
 月光にきらめく細い爪をみつめていた

 風の家にあ ....
 トゥクトゥクの傍らで赤い夕日を待って
 犬は
 なにもしていない真昼
 なにをしているのだろう、そこで
 みずからの首に首輪をつけ
 ひもをつないで

 犬って
 なにも ....
 オタマジャクシが
 ぼくのまぶたの裏側に棲みついてしまった
 けれど、だれからもみえない
 ぼくにも
 影の輪郭しかみえないが
 たしかに棲みついて動きまわっている

   ....
{引用=



夏がころがりおちてゆくのを
陸橋のうえから
ぼくは
ずっとみていたんだ
いつかかならずくる
嵐が
ニンジン畑のどこに潜んでいるのか
だれも知らないことが残念でなら ....
{引用=



ふいに落ちてくるのは声
ねむりを破る声

とどまることなく走りつづける
でんしゃのなかを
でんしゃと同じ速度で疾走する男がいて
疾走する男のその努力をもし徒労という ....
 光に目を凝らすと
 色彩が失われ
 あらゆるカタチはこわれている
 ひとつの塊にしかみえなくなっている

 蠢くものの姿がみえない
 ほかと選別できないから言葉がうかびあがら ....
 うす墨色をした
 雨月物語
 その雨のない風の気配は
 前髪のような柳葉のむこうから
 あるいてくる
 二人連れのおんなが
 ゆうれいだと
 ぼくが気づいたのはどうしたこと ....
 なき虫であっても
 なく虫ではなく

 よわ虫であっても
 つよがる虫なのである

 にがり虫に似た
 にがい顔で
 本の虫は点とり虫というが
 てんとう虫はほんらいお ....
 眠らないバスにのった
 眠れないぼくは
 あの野性化した雲といっしょに
 あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう


 写真でみただけの
 マリアナ諸島の鮮やかなブル ....
{引用=

 またいつもの
 自転車にのって
 ぼくがむかっていた
 先とは
 どこだろう

 でも
 いまは
 どこだろうがかまわないおもいでいっぱいなのは
 はたして
 ど ....
{引用=


 アウストラロピテクス〜はるかに
 ホモ・エレクトス〜さらに

 ひととひととを分かつ外的要因によって
 踏み出す一歩その一歩の歩幅の違いが決定的だとして
 ここまで
 ....
俊太郎の詩集を読んだ
俊太郎の詩集を読んで
なにか気のきいたことを書いてやろうとおもったのだけれど
なんの感興も泡沫のようにはたちのぼってこなかった


きのう
街の昔の写真 ....
恋月 ぴのさんの石川敬大さんおすすめリスト(49)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
飛翔するカゲの家族- 石川敬大自由詩10*10-12-23
「ゼロの焦点」その擬態のしんじつ- 石川敬大自由詩6*10-12-19
戦場の外れにあるコーヒーショップで- 石川敬大自由詩13*10-12-16
運ばれた先で待っているもの- 石川敬大自由詩19*10-12-2
きせつにサヨウナラをして- 石川敬大自由詩22*10-11-23
むすぶという祈りの方法について- 石川敬大自由詩2010-11-7
結界を出入りするもの- 石川敬大自由詩2010-10-31
ショパンの手- 石川敬大自由詩1810-10-26
国境ちかくの町かどの犬- 石川敬大自由詩2010-10-7
ふあんな街は犀の背中にのっている- 石川敬大自由詩1610-9-11
犬もみていた、夏のおわりを- 石川敬大自由詩1810-9-6
でんしゃのなかにふる雨は声かもしれない恋かもしれない- 石川敬大自由詩1810-9-1
ピアノ協奏曲「月光」- 石川敬大自由詩2110-8-28
夏の夢をとじておもう- 石川敬大自由詩710-8-12
虫偏の精神を笑わないでください- 石川敬大自由詩1810-8-4
うつつと夢の間を縫うバスに乗って- 石川敬大自由詩1910-7-22
日曜日のカエルは旅好きである- 石川敬大自由詩2810-6-27
非生存に思いをめぐらせて- 石川敬大自由詩910-5-16
みつけられないものってなんだろう- 石川敬大自由詩610-5-8

Home 戻る 最新へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する