すべてのおすすめ
夏の陽射しの中

曲がりくねった道を
君と一緒に歩いていると
丘一面に黄色い向日葵

僕はスケッチブックとクレヨンを取り出し
道の傍らに座り込んで
丘一面の黄色い向日葵をスケッチブック ....
いつまでも泣いたり笑ったり出来るよう
二人で一緒になったはずなのですが
歳月と私の怠惰のため
君の目許には苦労の色が溜まり続け
随分と皺が多くなっているようです。
それでもとても奇麗だと
 ....
(猫)
  おれが歩き始めた港町
 鴎が去って、鴉だけがうようよいる
 古臭い歌しか唄わない詩人たちが
 古臭いことこそ正しいことだと
 言わんばかりにおれたちの居場所で寛いでいやがる。
 ....
資長道灌
苦戦覚悟の
江古田の地
豊島一族との争いで
扇谷の上杉の
暗愚殿を支えながら
手薄な手勢で奮戦し
地の利時無く敗色濃厚
兵と逸(はぐ)れた資長が
巡り会えた黒猫一匹
尻尾 ....
丘の上に立つと
夜空にはたくさんの発光体が
空に向って地上から降り注いでいるのが見える。

一様に
ボーっと輝いているが
明るさにはほど遠く
夜空に闇に吸い込まれて行く



 ....
前の街で
俺は淫売宿のいかがわしい玄関口で
夕立に打たれて濡れながら歪んだ
恐ろしいほどの雷は
地上の何物かを鷲掴みにしようと
空から腕を突っ込むが
本当に一握りの無辜の生命を食い物にした ....
カラヴァッジョ
光と闇の迫間に浮かびああがる人物
ダブリンの教会に浮かび上がるキリストの捕縛
400年もの間の行方不明の光

あり得ない光と闇のコントラスト
グラデーション無しの光の隣
 ....
いずもふるねの かなしさは
まことは きびのえいゆうに
まけたじじつを かくされて
かなしきいりねの だましうち
そのうち いずものへいていと
おうと をうと たまのやまわけ
きびと やま ....
跛(びっこ)をひいた男が独り
本屋の軒先を横切る
そこが本屋の軒先であることなど
全く意にも介さず

杖をついた老人が本屋の中から出てくる。
一冊の本を購入するでもなく
じっくりと日課の ....
風は丘を越えて吹いている
丘を覆い尽くす向日葵は
風に吹かれていくらか首を傾げ
黄色い丸顔を撫ぜる風

道の下は荒れ地
昔昔その昔
そこは大きな畑 だった
広大な綿花畑 だった
コッ ....
ピリピリとした緊張感
ジリジリとした外気圧
タラタラと落ちる
粘度の高い汗
ズブズブ沈み込む
液状化したアスファルト
ユラユラと揺らめく
水蒸気の先の遠景は
妖怪の吐く息 蜃気楼
 ....
俺達の言葉は
射程を持たぬ(山本太郎「行方不明の言葉」から)

詩は
言葉の意味が
無限定に使われて過ぎている。

しかし、
僕は詩を書く。仕事の合間
苦しみ楽しみある時は

 ....
私という人見知りは
背中にうっすらとした黄金の体毛と
頭部に後光が輝くよう
分け目の間に鏡を置いた
ギミックがすこぶる付きの生物なので
東京近郊の動物園から
引く手数多なのだけれども
 ....
宇宙に開かれた水の滴の
泥の堆積
火の木っ端に
夢が沈む 
雲の破片の沈殿物 また水の滴

屋敷の塀の高さに隠されていた
思い出のくす玉が
ロートルな部屋に輝く
ミラーボールの乱反射 ....

朝九時にニコライ堂を右手に見
下りる坂の街路樹は
銀杏のくせに輝く緑


靖国通が
花満開だなんて
だれが信じるものだろうか
でも事実なのだから


湿気の多いビル ....
標高二六〇〇のティエンブー

幸せの街、幸せの国
グロスナショナルハッピネス
GNHが世界一
何が幸せの基準なのか
GDPは156番目
民主主義には程遠い
民族衣装の着用義務
何をす ....
山奥の名所旧跡の傍ら
誇りを失ったゲージの中の鳶
胡乱な眼で見物人を眺める
その眷属と同じ記憶を追いながら



丘を越えて吹いてくるそよ風
丘を覆い尽くした向日葵は
風にそよいで小 ....
川の流れは清冽
岩に激突した飛沫の中
一服の涼を見るが

飛翔する山鳥
容姿は狡猾で
空腹を満たそうと
水中の魚群を窺う

山猫もまた、
山鳥を捕獲しようと
首擡(もた)げ見上げ ....
雨が濡らす新緑の並木道
歩道を楽しげに歩く老婆と中年の女性
一つ傘の下まるで恋人のように腕を組み
女性は老婆の顔をのぞき
満面の笑みを浮かべて話しかけ
老婆は斜め上、女性の顔を見つめ
ニコ ....
ところで、彼の結婚式なのだが、
参列者は三,四人か
披露宴をどうするか
めでたい宴の陰に
猫の眼のような
光を帯びたクレパスが
ぱっくり口を開けている。

皆口々にお祝いを言い
いく ....
裁判所の待合室から
開港記念館の塔の屋根
クイーンの塔と
港に入った船から愛された目印も
今ではたくさんの灰色のビルディングに埋もれ
往時を偲ぶには上陸して裁判所の前に立つしかない。
 ....
初夏の明るい光の中
陽光に照らされた新緑の並木
聖橋から下る通りに
暗さは無い。

明るく振る舞う表情の裏
怠惰と絶望が無い交ぜになった
深く刻まれた皺を持つ老人の横顔
溌剌とした声の ....
青空に首を突っ込んで
即死した変死体の傍ら
空飛ぶ鶏の嘴(くちばし)が夥しい数で囀(さえず)る

青い空に白い雲
夕方には赤い夕日と
朱に染まる山の端
(絵に描いたような五月晴れ)

 ....
押勝の横顔は
琵琶湖に沈もうとする夕日
の照返しを受け
朱く染まっていた

湖畔勝野の鬼江から
船を出し、助かる見込みの無い闘争
せめて家族はという家長の気持ち
そんな気持ちも家族は一 ....
目の前にある一杯のぐい呑みに溢れた
桜政宗の燗酒をぐいと飲み干す

その傍らには酒の肴の赤身のマグロと
今日一日の痼(しこ)り
プルンと小鉢に鎮座して、
それを箸先で舐め
全てを忘れる切 ....
仕事帰りに街を歩けば
赤い灯青い灯夕闇を照らす。

裏通り馴染みの
一杯飲み屋に
そこに
今日を捨てに行く。

そこでぼくは
ひたすら喋りながら
呑み続ける。そしたら
なんだか偉 ....
いまさらオーネットコールマン

意味不明の言葉の羅列が
たくさんの誤解を招き
バイト先の立ち食い蕎麦屋のカウンターのように
汁にまみれRu

言葉の羅列に色はないが
汁にまみれていたの ....
サクラを観ない年がこの歳になってやってくるとは思ってもみなかった。

確かにサクラは咲いている。が、サクラの中で酔うことなく、風景の一つとしてのサクラ花。淡いピンクの染みぽつり。ぽつりぽつりの悲し ....
待合室のベンチの片隅
三百代言に堆積された
一言主の判事の方便
外は春だが歩くには寒く
部屋の照明は薄暗い

世間話の片隅で
忘れ去られた真実が
書類の堆積に発酵し
異様な臭気ととも ....
青空に大きなマルを書いてみた。
その中心に自分がいて
その周辺に家族がいて
ぽっかりとした雲には願いが乗って
ふわりふわりと流れて行く

野原に寝転び
雲を眺めていたら
悲しいことや
 ....
恋月 ぴのさんの……とある蛙さんおすすめリスト(235)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黄色の想い出- ……とあ ...自由詩9*11-9-8
約束- ……とあ ...自由詩19*11-9-5
野良猫その4- ……とあ ...自由詩611-8-30
猫地蔵縁起- ……とあ ...自由詩8*11-8-29
通夜ー改訂版- ……とあ ...自由詩1411-8-22
履歴_ー野良猫3・5ー- ……とあ ...自由詩10*11-8-9
天才- ……とあ ...自由詩6*11-8-4
ふるね- ……とあ ...自由詩8*11-8-1
頑固堂書店購買部- ……とあ ...自由詩13+*11-7-27
上を向いて歩く- ……とあ ...自由詩8*11-7-23
外気圧- ……とあ ...自由詩1111-7-16
現代詩人- ……とあ ...自由詩8+*11-7-11
自己紹介- ……とあ ...自由詩8+*11-7-7
帰郷- ……とあ ...自由詩5*11-7-2
初夏の神田の六つの詩- ……とあ ...自由詩13*11-6-28
幸せというもの- ……とあ ...自由詩8*11-6-21
長元坊- ……とあ ...自由詩11*11-6-15
上流- ……とあ ...自由詩11*11-6-11
雨の交差点2- ……とあ ...自由詩15*11-6-2
彼の結婚式- ……とあ ...自由詩911-5-26
横浜の風景に思う- ……とあ ...自由詩7*11-5-24
俺の幽霊- ……とあ ...自由詩9*11-5-19
マイ_ブルーヘブン- ……とあ ...自由詩8*11-5-16
仲麻呂- ……とあ ...自由詩911-5-13
ぐい呑み- ……とあ ...自由詩17*11-5-10
酒呑み2- ……とあ ...自由詩16*11-4-30
何を今さらオーネット- ……とあ ...自由詩12*11-4-26
忘れられない顔- ……とあ ...自由詩7*11-4-18
待合室の春- ……とあ ...自由詩711-4-13
深呼吸- ……とあ ...自由詩9*11-4-10

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する