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動物園でしか見たことのない獣の前で
動物園でしか見たことのない夢を見ていた
あれがニンゲンのコドモだと
舌うちされたのを覚えている
そうあれは
舌のある獣だった

消費した肩で
かつて ....
東京に来た{引用=だ}
インテリアじゃない方にい(る)んだ
駐車場もないコンビニに
集合かけても散り散りで
ひとりぼんやりメシ食って
ガストにも溜まらず
隠すべき訛りに依りかかるも
意識 ....
たばこ
それはヒトを好戦的にする
きつえんしゃ
は 非人道的存在だ
でなければ旅先で 略奪などするわけがない
虐殺者の大多数が 愛煙家なわけがない
ああ幼子を傷付けたくない一心で
花火す ....
遠くそびえ立つビル群
人間が高さを競うように
草木は深さを競い合い
私の横たわるこの下で
取っ組み合いの陣取り合戦を繰り広げている

負けるのも勝つのも好きではないと
酒のない酔いに飲ま ....
ガキのころハマり倒したゲームの続きを
眠り込むまでやっていて
充満した電子音をかき分け
とにかく何か やっていないと休めなくて
うつぶせのままだったから 背中は痛いが
前に壊した肩ほど酷くは ....
ジャングルジムを覗くマンションが
瞼の裏に座標を描く
月から見えない場所で
星もない悴んだ空間を占拠する
空っぽのブランコを一瞥し
ポケットの中 手を突っ込み
旋回して竜巻を生み
つま先 ....
吊り皮を枕にした朝
素肌の味を思い描き
定時を目指す


学食を想い
立ち止まってはみたが
正門のサイズが合わない
すれ違った後輩が
陽ざしに目を細め
素肌をにじませようと
侵入 ....
人んちの猫を
眺めるのはいいな

溜息で吹き飛ぶ薄給だというのに
ある日袋がずっしり重くて
慌ただしくぶちまけて
猫がキョトンと転がったら
がっかりしてもいいな

孤独という状態を
 ....
分かる範囲に囲まれて
安心の輪郭重ねて
もういいかなって思うんだ

人生を旅にたとえた人がいたね
豪雨の中ホームから降りて
道なりに進んだ大使館
絵を描いて
ちっちゃい駅作って
絵の ....
眠れない夜に
眠ってしまった店を想う

焼き魚が食いたくて
冷蔵庫の灯をまさぐるが
プラスチックしか見つからない
ジュースを転がす

傷んだ腹がないている
鍋焼きうどん食おうにも
 ....
鉄砲玉の家系です
誰も戻ってきはしません



吉野家へ行きました
思えばこれが東京の味でした
修学旅行の列から浸み出した
初めての味でした


今後戦争などというものへ辿り着く ....
泣いた日
左手が動かなくなった日
ボケットに突っ込んだ手を
先生に注意され
からかわれた手と
庇われたことが恥ずかしくて
泣かされた日

泣かされた日
いつも庇ってくれてた友達が触っ ....
記憶を閉じ込め
机の上
ペン先を生活が覆い
口を滑らかにしても
なんのために流れているのだろうね
飲むためでも見せるためでもないなら
なぜあんなにも叫んでいて
しばしば痛みを伴うのか
 ....
そうか
もうそんな季節か
早生まれか

笑い飛ばさぬよう
口を緩め
回り込まぬよう
肘をついて
撫でるわけにもいかず
目で追っかける

綿埃を乗り越えて
次の家に向うのか
そ ....
 、の入口に従えたのは、その言葉が正しいと思えたからだ。

だから不安と向かい合って椅子に座った。
クッションに針が仕込まれているなどとは思いませんし、仕込まれていても構わない。
この言葉が真 ....
待合室の本棚で
文脈が所在なく足を抱えている
現代の錬金術師が白衣を着込み
セロトニンとドパミンを調律する
部屋の隅々まで描いた木は私は統計になる
意識が目の裏と舌の上で目まぐるしく動き
 ....

女の子
女の人
女性
分からない人たちです

まず少女マンガにはなぜ花が散りばめられているのか
それはどのような意図に基づいて配置された花なのか
もっさりしたアジサイですら可憐なの ....
蝶がカラのペットボトルに止まっている
そこが宿り木なのか
そいついいやつだ
2リットルで1キロカロリーと告白している緑茶だ
そんな人へ着地したかったよ

翅越しのヘルダーリンと目が合った
 ....
魔法を握りしめている
オタオタぬりつけている
透き通るまで引き締めている
母親が調合していた
カードダスの代わりに集めてた
花の名前は知らないが
花の香りの瓶だった
魔法を握りしめている ....
大きくなったらお父さんみたいになりたい
保育園で描いた父の肖像画を掲げて
恥ずかしがりながら言って
グローブみたいな手で撫でてもらって


四角い輪郭
プツプツの髭?
目?が三つ?
 ....
105つのりんごを並べる部屋がないから
財布の中には二万円がある
沈黙に耐えかねた言葉みたいに
動くと500円玉が笑う

良いものではなく
いいものでも探してみようか
りんごを収納するス ....
今死んだら困るけど
いつ死んでもかまわない

今死んだら困るけど
いつ死んでも適切だ


俺には今しかないが
きみには明日がある



踏み出せばその一歩が道になる
なんて言 ....
写真にない記憶の中で
四つ葉のクローバーというものを
探し当てた
四つという概念に覚えがあり
クローバーというものをすでに知っていた
だからこれが
初めての記憶ではなかったのだろうが
初 ....
たとえば
履き潰し
捨てるつもりだったスニーカーを
いまだに車へ立てかけている
何度も体温を通わせた
足に馴染みきった身体を

物を
肉体を
引きずって

これは道具なんだと
 ....
パソコンは行間に
椅子のない背もたれを 普及させた

鉛筆とは違って
垂直に線が 交わるかもしれないという期待は
抱きにくくなったが
キーボードの奥行は
不意に折れるということがなく
 ....
寒気が
どっさり
目覚まし時計を押しのけ
郵便受けには
号外の雪が
詰め込まれている
のだろう

起きぬけのトイレから
スニーカーをつっかけ
目を閉じて
つま先からゆっくり踏みし ....
ホームレスが灰皿に
深々と頭を下げている
制服の女性が後ろで睨みつけている
歩道に頬杖を付き
Yシャツに血が滲む
彼女の脚の下
フォーカスをぼかし
そこいら中に降ってくる
皮のアイスピ ....
高校で処方されたトローチを
ずっと舐め続けている
いつか消えるという
先生の言葉を信じて



大学生にさん付けされ
上司にはくん付けされる

しかし口の中にはまだ
トローチが悠 ....
それは独奏だろうか
タイピングに魅入ってしまい
流れをシャッターで遮断したいのだが
塞いだ手が静止し続ける

そんなことをしても
きみが何をしたいのか
お見通しだ

あなたは
ま ....
野良猫は仕事を求めている
ダンボールで背広を守るホームレスのように

野良猫は仕事を怖れている
歯医者で口を開けない子供のように

野良猫は仕事を決めかねている
半年前の求人誌を読み返す ....
恋月 ぴのさんの佐々木妖精さんおすすめリスト(67)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空中- 佐々木妖 ...自由詩6*08-8-13
温度差- 佐々木妖 ...自由詩4*08-8-7
最後の灰が落ちる時- 佐々木妖 ...自由詩4*08-8-1
気の迷い- 佐々木妖 ...自由詩12*08-7-14
へば- 佐々木妖 ...自由詩7*08-7-5
光源- 佐々木妖 ...自由詩8*08-6-19
三本脚- 佐々木妖 ...自由詩10*08-5-21
T字路- 佐々木妖 ...自由詩28*08-3-27
中断- 佐々木妖 ...自由詩11*08-3-20
ひと炊き- 佐々木妖 ...自由詩23*08-3-18
ora- 佐々木妖 ...自由詩13*08-3-16
二色- 佐々木妖 ...自由詩33*08-3-11
引力- 佐々木妖 ...自由詩11*08-3-10
ぱしり- 佐々木妖 ...自由詩6*08-3-8
脱皮- 佐々木妖 ...自由詩6*08-3-5
- 佐々木妖 ...自由詩6*08-3-1
別人- 佐々木妖 ...自由詩22*08-2-24
抜け殻- 佐々木妖 ...自由詩3*08-2-21
笑いじわ- 佐々木妖 ...自由詩4*08-2-18
二十九年すぎた頃からもっと恋しくなった- 佐々木妖 ...自由詩16*08-2-11
こっちかな- 佐々木妖 ...自由詩6*08-2-7
正走曲- 佐々木妖 ...自由詩3*08-2-4
未詩/独白/告白- 佐々木妖 ...自由詩5*08-1-29
七年- 佐々木妖 ...自由詩9*08-1-28
チクチクするね- 佐々木妖 ...自由詩8+*08-1-20
予言ライフ- 佐々木妖 ...自由詩12*08-1-17
くすぶる- 佐々木妖 ...自由詩10*08-1-12
変わるくらい- 佐々木妖 ...自由詩25*08-1-9
友人- 佐々木妖 ...自由詩8*08-1-5
猫を求む- 佐々木妖 ...自由詩12*08-1-1

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