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しましま
綺麗なコントラスト、

だけどけして
混じれない
悲しいほどに
絶対的な隔絶
あなたの『あ』の発声と
わたしのそれが違うように。

点と点ならどんなにかいいのに
線と ....
8時35分の朝
○年○組はいつものように
入口も出口もなくなって
わたしたちは起立したまま
おそらく昨日分のあいさつを忘却している

いくつかの数式を
ため息の代わりに吐き出していたので ....
ゆうたくん、
空の色なんてクレヨンのあお
たった一色でこと足りたはずなのに
昨日にはそんなことすらできなくなっていた

ゆうたくん、
10才のころの夢はサッカー選手、で
まぶたの裏で夕暮 ....
もうすぐ
閉館の時間です

あなたは
閉鎖してく放課後
お気に入りの本の隙間で
いつまでも
時間旅行に
行ったきり、
ライトノベルみたいな
軽やかなリズム
があったなら
言えた ....
わたしたちの夏は
ガラス玉みたいに透き通って
どこまでも不安定に揺らめいて泡してく

炭酸水の中でうまく泳げない
わたしとあなた
きっとまったく別々のままに飽和して
まぶたの裏でまだ小さ ....
眠る前に
くちびるの形だけで
あなたのなまえ
を呟いてみたら
ほろほろと
星が生まれてく

夜は
思ったよりも深くて
あしたの方向で
あなたのなまえの星が揺れてる
不器用にしか進 ....
さよなら

気泡みたいなことばを
無造作に夕暮れに飛ばしてみると
橙にすっと溶けていったのは
声が震えていたせいかもしれなかった

車輪の音、渇いた
ペダルを思い切り踏みしめて
陽炎 ....
ずっと
遠くに
行ってしまった
くじらの
足音

どこに
ずっと
北の方に

どうせなら
満天の夜が
いいね
少しずつ
舵をとりながら

長い旅だね
くじら
しっぽ ....
午後の教室
一番後ろの席で
眠りとの間に揺れていると
ずっと遠くの方に喧騒が消えていく
穏やかに舞う埃が
知らない間に袖に張り付いて
一緒になって光合成していた
金曜の午後

ノート ....
誰もいない放課後
鼻につくチョークの匂い
校舎裏には誰かの名前
雨風にもう消えかけて
らくがきにも見える名前
ひとつ

あれは
ひたかくしの時間でした
スカートの丈を短くしたり
お ....
先生、誰も来ない放課後です

理科室は薬品の匂い
閉められた
暗幕の心地良い温度

埃が泳いでいきます
気だるい午後です、先生

魚になるにはどうしたらいいですか

答えの出ない ....
眠れない夜に
レモネード
窓辺にため息
ひとりとひとりが
薄くかすんで
やがて消えた
雲がかる夜

冬の星座が見れたら素敵だね

ひらけた
草原に寝転んで
空を見上げれば
今 ....
終電が過ぎて真夜中
ひとりきり家路を辿れば
無音ばかりがこだましてやるせない

呼吸をするたびに白い息は空に溶けていくのに
うまく言葉にできない気持ちは
もやがかかったまま解けてはくれない ....
{引用=しん
と張りつめた空気の隙間から小さく 雪ふるる}

 氷点下の朝
 白樺の並木道
 枝の間から差し込むあたたかさ
 昨日の凍てつきなんて
 思い出すことなく
 鳥たちのさえず ....
砂漠を
旅する少女
らくだを一匹連れて
小さな子どもの手を引いて
今日はどのくらい歩いたかしら。
夜になると
小さな子どもは泣き出して
本当は
泣いてしまいたい少女
砂の塗れた短い髪 ....
私の町
海辺の港町
夢うつつに波音で目覚めて
窓を開ければ
かすかな潮の香り
胸いっぱいに深呼吸して
優しい海で満たして
一日が始まる

私の家
高台の一軒家
階段を下りると
 ....
君の寝ている隙に
本を開いてしまったよ
手のひらと同じくらいの大きさの
くたびれた表紙
真ん中より後に挟まれた栞
海の色をしている
波の音が聞こえそうで
耳を澄ませば
君の静かな寝息
 ....
そして
冬将軍がやがて
この森にも流星を連れてきます
今夜は月のない晩なのでとても綺麗に見えるでしょう
私が待ち遠しいのは流星、
じゃなく、やさしさ
愛しい人の名前を呟けば
白い息ととも ....
橙に染まる道
遠くに伸びる影連れて
陽の匂いの二人
また明日と
いつもの約束交わして

あの角を曲がれば
優しい明かりの灯る家
のはずなのに
空になった部屋、で
ひとり泣いた少女の ....


海の方から来た少女の持つ砂時計は
浜辺の砂だから耳を澄ませば波の音がする




バス停で
来るのを待っていると
潮風がワンピースを揺らす
もうすぐ夏が終わる、
という ....
私のノートには白い文字で
フラットに似た記号ばかり並んでる

決して声に出してはいけない約束が
一番目に載ってたはずなのに
白すぎるせいで見えない

知らないで言葉にしてしまうと
「ん ....
{引用=秘密と呟けば
何か呪文のようで心地良い
おんなのこ
ないしょと声に出せば
かわいらしいのに

秘密
お月様が昨日より欠けてく 
ずいぶんと
欠片が順々に宿る秘密
昼間花柄が ....
夜が深くなった頃
静かな優しすぎる時間
窓の外では月が おやすみを呟いて
それでも声は透明で音すら存在しない
昨日見た夢の断片も もう忘れてしまった

読みかけの本を開いて
いつか千切れ ....
自転車の車輪の横には、
しっぽの先だけがしましまの猫が
丸くなって寝ている
夕方には何処かに行ってしまう猫に
名前をつけよう、と
彼女が言い出したのは
日曜の朝、
決まってサンドイッチな ....
{引用=夜、眠る前には忘れることなく
絵本を開く少女
はお話の最後を一度も見たことないまま
眠りにつく、早く明日が来ればいいのに、と。

空の色によく似たワンピース
がお気に入りの少女
 ....
ずっと遠くの方を、
水平線が見たかったのに
空との区切りがよくわからない
から

少しだけ背中を丸めた
薄い水色のワンピースから
覗く白い腕が
夏には似合わない
から

ただ黙っ ....
窓に
張りついた夏、
グラスの中で氷が
音もなく溶けていく午後
少し薄まったアイスコーヒー
にミルクを少し加える
ゆっくりと拡散していく、
ゆっくりと沈殿していく、
夏。

あの頃 ....
少女の
黒い髪に
よく似合う白さ
細い指に
切り揃えられた爪
あれは三日月の晩
まだ七つ、八つの頃
少女の
透明な瞳の中に
飼われた金魚
昨日の晩は
綺麗な橙をなびかせて
少女 ....
今朝、校舎の前で
無口な少女を見た
目が合うと
少しだけ笑って
そのまま自転車の
静かなスピードで
追い越してった、八時十五分。

無口な少女の
名前を知らない、
先生が出席をとっ ....
外ではもう夜が始まっていました。

部屋の中に滑り込んで来た夜に
気づかないでいると昨日から抜け出せなくなるようで、私は
決まってひとりベッドに腰掛け
何色ともわからないカーテンを手繰り寄せ ....
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