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仕事はじめ
屋上へのぼった
一人のスーツ
真っ黒なゲーラカイトを飛ばしてる
隣のビルでもはじまっていた
こな雪がつもった
前髪につもった
この大都市で
吐息がきこえた
君の
吐息がきこえた
むかいあった
瞳の奥も雪が降る
水彩画になる
そして
風がたたいた
格子戸がまぶしい
瓦にすわる
しずかだ
淀川のほとり
息子に川の名を聞かれた
ミシシッピと答えた
小さな庭に
骨が積もった
息子は
動物だと思っていた
夕陽
沈まないようにね
駆けてるの
確かに買った筈の切符がない
この列車の行き先を見上げた