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暗い人をみたら
いつも尊敬しなさい。
父さんはいつもそう言っていた。
南の島へライオンを助けにいったきり、
かえってこなかった父さん。
明るい人がぼくは好きだ。
明るい人はなんてすてき ....
ヒトラーの「わが闘争」を
いつもポケットに入れていた
まるでサリンジャーの小説の
脇役のようなH君から
十二年ぶりに電話がきたのは
二年まえのことだった
十二年前H君は中国人の留学生に ....
ぼくのもっとも尊敬する詩人は
F君である。
F君は現在ガソリンスタンドで働いている。
そこがどこであろうと
まるでそこがカリフォルニアであるかのように
真っ黒に日焼けして。
F君の詩を ....
むかし、俺に親切にしてくれた人がいた。
初めて入ったそば屋のおばちゃんだ。
俺は浪人生でひどく痩せていた。
まるで勉強ができなかったので、
ひとつも大学が受からなかった。
どうやっても勉強な ....
ママあの
超合金買って
またね
またこんどね
こんどって
いついつが
こんどだったのだろう
もう
こんなに
大きくなりすぎてしまったのに
ママあの
超合金いつ
買ってく ....
ああ素朴な人に会いたいのだ
こんな
読めない漢字のように
むずかしすぎる人々にもまれて
どこでなんの役に立っているのかわからないような
仕事をしている
サラリーマンの僕ならば
階段の ....
汚れた僕の足を
いつも
あたたかくしてくれて
ごめん
べつに素足でもいいのだ
ちょっとぬられたニスがつめたいだけ
でも思ったんだ
孤独に強いことを誇ったって
それがなんになるん ....
雨がときどき
なつかしい人をつれてくる
いえなかったことば
雨のリズムがとだえる
「つたわったよ」
なつかしい人がうなずくのが
わかって
泣ける
雨がときどき
すごさなかった日を ....
ぼくが包茎だったころ
アフリカはとおく
象の足は八本あった
あのひとのほほは白く
うつむくまつげは長かった
どんな人にも天使のように微笑むので
誰もが自分はあのひとに愛されていると勘違 ....
学芸会でぼくは
ぼくのお母さんを演じた。
ぼくの演じたお母さんは絶賛された。
でっぷり太っているが清潔である。
石鹸の匂いはしないが朝ごはんの匂いがする。
ぼくの間違えた答案を間違え方が ....