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そのはじまりからすでに
鋭く亡びに縁取られているのが夏で
青空と陽射しがどれほどあかるくても
そのあかるささえ不穏なのが夏で
蝉が鳴き騒いでも
祭の喧噪が渦巻いても
濃密な静寂が深々と ....
窓辺を漂っていたスウィートピーたちは
薄れて消えてしまったよ
白いのもピンクのも薄紫のも
いつか行こうなんて云っていた
銀の門のある空中果樹園も
いつのまにかどこへやら消え失せてしまったよ
....
たとえば 言葉で
たとえば 眼差しや微笑みで
きみとわたしが 交わしあうのは 波紋
それはあたかも 夢のように
けれど夢よりも息づくたしかさで
波紋は交わされる
たとえ ....