風に吹かれて揺れるように、
見えない未来を照らす空は、
無責任だから優しくて、
無責任だから憎めない。
だからわたしは、この空を嫌いにはなれない。
終わりを知ってしまう ....
松林のにおい
やわらかに透過する光
あなたのその目じりのしわが好きだった
波風がうばっていく言葉に
その想いものせて
わたしたちはあめふらし
ふいに雨音が恋しくなる
傘の下で肩を並べ ....
なくした言葉がいくつかあって
それを、また
見つけだすのにあたふたなんかして
正しい言葉
わからないんだ
ぼくは
言葉は無力だと知っていて
それで ....
荒んだ感情に とがった心で
向き合えば互いに傷ついていく
しょせん人間はこんなもんだよ
エゴでヒトを傷つけていく
戦のない平和な世界を 望めど叶いそうもない
いつの時代も 戦 ....
涙のかわりに詩を書く
泣きたいなら泣けばいいと
言ってくれた人の前で
泣く事ができなかった
感情だけが
私の取り柄です
おとなしいと言われる
雰囲気などは全く
この胸の深層とは
....
幸せの向こう側にいる
あたしもあなたも手を繋いで笑っている
人はきっとおかしく思うだろう
ほら
歩くおばちゃんが怪訝な顔してる
わかってることだ
今更何を悔やむのか
ぼんやりと輪郭を ....
君は寝た振りが得意
わかっていてもウッカリ騙され
今朝もゴミ捨ては僕の役目
君は大人だから
分をわきまえているよね
僕はと言えば歳はくっても
燃える恋と燃えない恋の分別さえ
未だ ....
人はみんな変わっていく
いいふうにも 悪いふうにも
自分も 風景も
変わらないものなんて
きっと 何ひとつない
ただ流れに身をまかせるだけ
上手くいく恋には
必ず何か理由があって
そうしてそれは
恋が上手くいった時でなければ
永遠にわかることもない
二人だけの答えなのでした
ときどきとても
愛を信じたくなるの
どうしても
信じたくなるの
夕方すぎ
薄闇のお庭
ブルーグレイの花びら
まるで浮いているみたい
何も信じていない
わたしの中に愛はあるかな
あな ....
チョークの淵を遊ぶ子
意味のない歌を歌う
それはそれは怖ろしい歌
それは 怖ろしい歌
ひとつだけ覚えている言葉
「真昼の月を描きなさい
力は要りません
知恵も要りません
....
日が昇る空を見て
わたしは毎日
あなたを想います
日が沈む空を見て
あなたがわたしを
思い出す日はありますか
その時 私は恋をしていた
好きな彼が眼の前にいて
その無邪気な笑顔は 私の胸を締めつける
彼の打ち明け話とは 苦痛極まりないもので
そうね、彼女は女同士でも信頼できる
などと私に言わせた ....
洗濯物も、庭のお花も皆喜ぶ
お日様大事
お日様ばかりじゃ可哀相
草木は枯れてしまうでしょう
雨を降らせる雨雲大事
雨雲ばかりじゃ可哀相
雨雲追いやる風さん大事
風さんばかりじゃ可愛い花も ....
一日中何をしていても
ずっとあなたの歌声が聞こえてきます
最後の夜
あたたかい腕の中で聞いたせつない曲
あなたが想いをこめて歌ってくれたお別れの曲
自動繰り返しモードで流れてくるから ....
そんなに思ってくれるのは
きっと嬉しいことなんだろう
「重い、なんてのは贅沢な悩みだ」
違うんだよ 違う
私が言いたいのはね
家だとか
親だとかってのは
関係ないってこと ....
あなたは
少し情緒不安定で
まるで子どもで
自分が嫌いで泣いてばかりで
「どこが好きなの?」
と尋ねられても
いつも上手くは言えないけれど
言うべきことも分からないけど
心が狭 ....
立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う
乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める
「 ....