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角膜を塗らす涙が涸れて
風景が乾燥する
人々は宙を歩いて
ぼくの中を通り過ぎ
アパート群を包む
光の霧はさらさらうごめき
新緑の山に光の粒子が
飛び跳ね渦巻き
光の雨が ....
ぼくらが産まれたころ
産めよ増やせよ
政府の方針として人間の出生を奨励した時代があった
早く言えば 粗製濫造
ぼくら乱造された人間はお国のために死ぬこと
それが名誉だと…
他に役に立 ....
人の体温に恋して
霊は家に住み着くらしい
頼んだわけでもないけれど
周りにたむろする木や草の
のぞき込む好奇心を追い返し
昼間 人が出かけても
テーブルの下 柱の陰
ドアの後ろの暗が ....