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人の指と
繋がり忘れた指に
連なる透明巾着の紐は食い込まず
わたし
一寸金魚の軽さを恨んだ
水の純でわたしを責めた
駆け出すしかなかった、ある夏の夜
透明巾着の、同じ ....
耳たぶが
熱い
空調装置にたしなめられた
浅いシーツのような室内の夜には
昼間に溜め入れた太陽の
滴りそうに赤い耳たぶ一滴で
ベッドが太陽の海になってしまうのを
防ぐ ....
濃度を増した緑 の根元
アスファルトには 日陰がある
かつて人だった空間には
かつて花束だったものが 積もっている
湿度に黒ずんだ日陰 の隣
アスファルトには 日向がある ....