飾らずにいられるなら──
それはそれで楽しい。
本当の自分になれる
…と思うんだけど。
飾らずにいられないから
飾って
偽って
自分自身に嘘をつく。
そんな自分が嫌で
....
ばかで
申し訳ないので
「ありがとうございます」
と言う
取るに足らないことでも
わたしに関わってくれたことに
「ありがとうございます」
煩わして
申し訳ないので
「ごめんなさい ....
はははははははははははははははは!
はははははははははははははははは!
そろそろ日本は駄目らしい
昨日電車の中でオッサンが言ってた
駄目な政治家達がもっと駄目にして
それを駄目だとし ....
雨を避けていく
ほこり立つ道を
避けていく
怖がりで
自分から触れていけない
夜を
夜の向こう側を
ダンスしている
仮面をつけた孤独たち
歩道橋の
こちら側で
向こう側で ....
(下記の文章中には話の流れ上、性的な表現が多数含まれます。18歳未満の方はご遠慮頂いた方がいいかもしれません。)
今から15年も前の話である。
私はその頃、大阪の堺市にある大病院の研修医を ....
どのようなことでも 理解するのに
見つけることのできないのは なぜ
このなりゆきの 先に見えるのは
あそびではできないのに なぜ
五万と見える この世界のものを
抱きしめることのでき ....
アイスクリームが今にも落ちそうで
溶かす熱は 体温ではなく 息 そのもの
息と混じった ためいき
かかとが 通りを求めている
安売りではない
このスカートの裾も 日に焼けた腕も
....
そそくさと何かを取り出す道ばたで こともあろうにただの草か
本当にぽっかり穴ができるのね 虫眼鏡でも グラス越しの無視でも
聞き捨てて いままでごめん いまさらに必要となる ....
台所には大きな窓があって
お鍋やフライパンや
お箸 スプーン ナイフ
みんなわたし以上に器用に タマネギいためるのよね
バスルームはちょっと狭いけど
トイレのノブはしっとりと濡れているし ....
思ったより 大きな鳥
手に余るほどの 砂 足でかき混ぜて
思ったより 美味しかったワイン
雨にならない空 三日月 湿り気の中で 言葉を探す
耳を塞ぐほど
大げさな言葉
走り ....
こめかみのヘアピンわすれ髪ながす止めるひつようあったのかどうか
誰にでもやさしくするのは自分にもやさしいことにほんとになるのか
日本語で言えないことを英語でも話す必要あるの ....
まだきみの あさはかさといい かたちといい そばにいてもまだ どことなく
まちがいと うつろな目をむけ 食こぼす あそびだとしても またどことなく
ことたらず やさしさをまた みせ ....
カタカタとうるさいので
押さえ込んで黙らせようとしたら
わっと吹きこぼれてしまった
ほんと
どうしょうもないあたし
オレンジ色のワンピースを着て
散歩に行こう
目的はないけれど
一緒に行こう
あなたは
「心が血でいっぱいだ」
と書いていた
あなたの目に空が何色に写るのか
私の顔がどん ....
兄さんは無口だけど
冗談が得意
風が吹くとカララと音をたてて
少し回る
その度にバカ男はゴンドラの中
一番高いところから
きれいな景色を見ている
風が吹かないときにバカ男 ....
色エンピツのセットを開けると
母さんは黒い色と並んでいつも一番長い
そして一番きれいだ
こんなきれいな母さんを使うわけにはいかないから
やっぱり母さんは一番長い
バカ男さあ、昔、母さ ....
父さんと二人で散歩に行く
父さんに水を入れると
喜んで太陽の光にキラキラしている
しばらく歩いて河原の土手で一休み
河川敷では子供たちが野球をしている
ねー、父さん、
バカ ....
マスカラと 聞き役づかれ 寝癖立つ メンズのセーター 股をひらく
こえたかき ことにつかれ 願わくは 地に足をつけ スカートを脱ぐ
胸広げ 走り出す婆 みつけては これも芸術と あ ....
あまりにも わたしに声をかけてくるので
もう 会話をするのがめんどうで
左手に 自分で買った指輪をした
一緒ね
否定してもしかたがないことに
必死にこだわって 会話を進めていくと
ピザ ....
ペットボトル
父さん
色エンピツセットの中で一番きれいな赤色エンピツ
母さん
観覧車の置物
兄さん
粘土
妹
テーブルに並べて
バカ男はいつもの席
....
流した涙の数だけ
人は強くなれるなんて
きっと嘘です
中途半端じゃなく
本当にたくさんの
涙が流れたら
あとは
からっぽになるだけなのに
この花はまだつぼみで
この花は何色なのかわからないから
どうしようかと考えたのだけど
そのままその花の色をわからずじまいで通り過ぎるのが 嫌で
そのままじっと 待つ
白
白だとわか ....
どことなく これで終わります
人が列をなしている
待つ人の
意味のないため息と期待
本当に? と聞き返す声
始まったのかもしれませんね
音も無く
油のにおいも無く
老いていく顔 ....
君がお風呂で
お湯が水になるまで
待っていたことを僕は気づかなかった
君は泣き
水があふれそうなくらい増えていて
そのうち君は水に溶けて
紛れていったのにも気づかなかった
僕はう ....
この仕事 作っているのは 敵だけだ
妻と二人で梅干を漬ける
台風が近づいている
空はまだ晴れているけれど
窓から入る風は生暖かく蒸し暑い
梅の実の良い匂いがする
水洗いした梅の実をタオルで一つ一つ拭き
ヘタを楊枝でほ ....
きっと世の中はまゆげみたいになってるんだと思う。
まゆげの形がわるいと整えるところ
社会の飛び出している人々を切り捨てる、この国の右倣え主義みたい。
揃ってるほうが、見栄えがいいの。
....
口をポカーンと開けて立ってる人がいた
あの中から何がでてくるんだろう
ずうっと見てたけど何もでてこなかったから
きっと王様だったんだよ
だって、バカ男、口をポカーンと開けてたら
大事 ....
おーい、バカ男ー
って誰かに呼ばれて
はーい
って返事をしたから
今日はもう淋しくないよ
ってウソの落書きをした
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる
新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る
夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
1 2