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 人は生きている。日々生きていて、未来に向かってそれまでと同じように生きていくために生きている。つまり、明日の生をより確かなものにするために生きている。だから、厳密に言えば、人は生きている限り死のこと .... カレンダーを一枚めくる度に
当たり前に季節は深くなってゆく
ビルとビルの谷間の廃屋にひとり住む老婆は
知らぬうちに彼方からの者を迎え入れる
表通りでは今日も賑やかな工事が進み
誰も気づかぬう ....
あ、あ、あ、剥がれ落ちる、私の細胞(たち)。
表面から落ちて、汚物(のようなもの)とし
て扱われて、泥の只中に乾いた破片として落
ちる。夏は天動説。私をめぐるうつし世がぐ
るぐると回る。醤油じ ....
溺れていく夏の海の傲慢を乗り越えて、原色
の光景にすべりこんでいく。速度を上げろ。
減速してはいけない。止まってしまったら、
たちまちにして恐怖がおまえをとらえるだろ
う。夏に生きる恐怖。夏に ....
夜 眠ろうとすると
世界中のあちこちから甥がやって来て
カブト虫を探してくれと言う
逃げてしまったらしい
眠くてもしかたがない
夜はまだ長いから
大勢の甥たちと一緒に
カブト虫を探してや ....
伊藤透雪さんの岡部淳太郎さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
死の冷たさについての素描- 岡部淳太 ...散文(批評 ...2+09-4-5
秋の暦- 岡部淳太 ...自由詩7*06-9-16
細胞(たち)の夜明け- 岡部淳太 ...自由詩6+*06-9-10
溺れていく夏の- 岡部淳太 ...自由詩16*06-7-21
世界中の甥- 岡部淳太 ...自由詩15*06-7-9

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