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帰宅ラッシュだった
階段で圧力に耐えかね
ひょろ長い女の背を
あわあわと胸で押してしまった

(押すなよおっさん!

おっさんではない
武士である



{ルビ法度=はっと}に ....
あいかわらず武士だった
参代する日でもなかろうに
女房殿に渡された温かい包みを抱えて
坂を下ってゆく

*

何やら人垣ができていて
たいそうな{ルビ賑=にぎ}わいである
隣の女房が ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
六九郎さんの佐野権太さんおすすめリスト(3)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
武士のきもち- 佐野権太自由詩34*07-4-5
武士と猫- 佐野権太自由詩21*07-2-9
武士のつかい- 佐野権太自由詩58*07-2-6

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