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ミラーハウスで求め合わないか
前と
後ろと
右と左と
斜め、っていう曖昧な角度も
加えて
つまりはすべて
求め合う姿は
すべてに映るさ
求め合うふたりに
すべてを魅せる ....
窓の外側に
内側から腕をさしだす
こうも空気に差がないと
飛び落ちても気付かないかもしれない
ぼんやりにゆっくりと浸食されて
ぼくは
蝉の声を、聴いている
....
とおくから まよなか が くる
いとまき あなた の きら の なか
せんの とおり を こえましょか
とおいひび まよなか が なく
からくり あなた の ゆめ の くち
せん ....
遠くの丘の教会の厳かな鐘の音が届く
私は
{ルビ如雨露=じょうろ}を止めて
目を閉じた
愛の門出のサインであろうか
永き眠りのサインであろうか
私がこの手に
掴め ....
友が きえた
きえちゃった…
違う形で友は来た
魂を感じることができた
きえても こうして逢える
なんでだょぉ って思うけど
友の エネルギー パワー きえるわけない ....
夏のことをよく知っている人がいて
その人は
例えば緑の葉っぱを重ねたような人で
ときどき
鮮やかな花を咲かせていたりする
ただ画家がその人の絵を
描こうとするとき
その人は
たちま ....
イーサ・ダラワの七月の浜辺には
遠い国の浜辺から
いつのまにやら波が攫った
いくつもの言葉が流れ着く
嵐の後にそれを集めて歩くのが
灯台守のワロの ....
まめのこ は
ぽくぽく
つち の おうち
で ゆめみてる
どうなるのかな
しろい おうちには
みんな と いっしょ
おおきなて
に つかまれて いまは
ひとり ....
闇に近い木々の群れ
線路を叩く車輪の甲高い音
幼い日に出会った少年の俯き
裏から見たエイのような雲の顔
それを包む灰になりかけの蒼の空
大きく両手を振りながら坂道を下る僕
みんなどこか ....
知らない方角から
明るさを取り戻してゆくかのように
朝はぼくのもとにやってくるのでした
遠くの響きは
古い透き間から静かに流れ
ぼくを取り囲むのでした
後戻りする物音は見あたらないのでした ....
手触り
指先に
冷たく
温かく
空気だけが
踊るように
流れ
揺らめく
光の屈折
気配
息遣い
衣擦れの音
視る
よりも
確かな
この
存在の不在
その街に風は吹きますか
手紙のようにそっと遠くから
坂道で靴は鳴りますか
生みたての音楽のように
どれだけの名前を覚えていますか
カタカナの響きに変わっても
この哀しみは君 ....
覆う
白さ
の
すべ
落ちる
銀砂
憧憬では
なく
瞬間に
託した
熱量を伴う
物質化
する記憶
全て
を1に
還元すべく働く
口実は
真理
決定する
という判断 ....
scene.1
満月の夜はおかしくなってしまうんだと君が云う
そんな貴方に本当はおかしくなってしまいそうなのだけれど
凡庸さに耐えられないから雲を呼んでみる
小さく口笛を吹いて ....
ルイーズはいつも空っぽだ
ルイーズはいつもとんがっている、山高帽の
だらしない紳士の椎骨あたり
途方もない誘惑の笑み
ガムを噛んでいる
ルイーズは雪の降るのを信じない
雪だってみぞれに ....
雨の中
彼は一人
一人彼は雨の中
雨の粒の櫓の下で彼は
一人濡れている雨の粒の櫓の下で
そのゆれる髪も手も櫓のような雨の中で彼は
濡れた髪も足もゆれる雨の中でかすれ ....
夏のとおい空に
誰もいない部屋あって
積乱雲の斜面に
眩しい青春が引っかかっている
ぼくは懐かしく見つめたりしてる
2Hの鉛筆で描いた
チーターが
風の中を奔っていくとき
遡れ ....
姉中3
私中1
姉6畳の部屋
私4畳の部屋
それぞれに悩みをかかえて
それぞれの部屋で泣く
ガチャッ
私が自分の部屋で泣いてる姿を姉に見られた
ガチャン
姉が 戸を閉めて何も言 ....
よく晴れた昼過ぎ
満開の桜の木陰にすいよせられて
黒い幹に{ルビ凭=もた}れ腰を下ろしていた
桜の花々は音もなく風にざわつき
ふと 辺りを見わたすと
桜の{ルビ蕾等=つぼみら} ....
まっしろしろにあとをつけ
雪を汚して歩いてく
誰かが通るはずだった
まっさらさらのこの道を
僕はわざとに歩いてく
汚してしまおと歩いてく
昨日も今日もおんなじだ
十年たっても ....
盗んだ自転車で
きみに会いにいこう
道端のタンポポを摘んで
海には
ばらまかれた空が広がる
雲はときどき
空を恋しがって飽和する
眩しいくらいに雨を降らせたなら
やがて雲は白い波になる
ふゆの海では
鳥は幾千もの残照と背中合わせで
お腹はい ....
それから人びとは浜辺にゆっくりと集まって
きた。ぬめぬめした、軟体動物のような朝、
塩辛い希望を胸の前に抱えて持ち、人びとは
次から次へと、前の扉から次の出口へと、通
りぬけるように浜辺に集ま ....
犬を連れて歩くときに
地面は砂混じりで
それを踏んで歩いた
空中の冷たい灰色が
風混じりに
俺の首から入り込んだ
頭を軽く揺すり
アルコールの残量を確かめた
白い息を吐 ....
白く光る雲が流れていく冬空。
夕暮れの橙色が水色と混じり合って、それは綺麗。
烏の群れが西の空へ向かって飛んでいきます。
帰る場所があるの、良いね。
冬の短い日が暮れるのは、何よりも寂しい ....
錆びついた思い出たちが
時を越えて目覚めだす。
ほこりにまみれた君の笑顔、
すべては遠い記憶のこと。
思い出さなくてもよかったのに、
思い出したくなかったのに・・・。
わざと雨の中に置き去 ....
まだ生きているのに
上にあるのは冷たい土ばかり
そんな私の運命を
悲しんでくれる者はない
指先の冷たさは
声なき罪の思い出
生きているとはいえない
今の私の存在は
むしろ
むなし ....
それは
風吹きすさぶ高原
それは
{ルビ陽=ひ}照りかえす街並
それは
忘れられない魂の傷痕
微笑みかけながら
ゆっくりと揺れる
僕のリズムに
合わせながら
ねぇ、ママ
ねぇ、ママ
昨日漁師さんがこういったの
「おまえは正真正銘本マグロだ」
って。
でも、ママ
あたいはマグロなんかじゃない
きれいに揺れる いそぎんちゃくだよ
....
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