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気の早い春一番は 潮鳴りのようなおとを立て
町の上空をゆくのでした
「僕ら、結婚するかな」
彼が昨夜言ったことばが、洗っていたおさらから急に飛び出してきて、ひっこめるのに苦労しました。わたし ....
半分の
半分にした
レポート用紙を
もう一度
半分の
半分にした ような
折鶴が
いろんなところに
隠してあるの
とても とても 足りないので
いつも
....
あの頃、君に告げられなかったことを今
***
ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ
ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
通っていた大学の正門。
そこから少し中に入ったところに君。
そしてもう5mのところに自分。
お別れだった。浅い意味でも深い意味でも。
傘から勢い良く飛び出したはずなのに振り返ってしまい、
....
下り坂は
南を向いていて
西に緩やかなカーブを描く
早朝
陽の当たる坂道を
桜並木のある坂道を
幼い彼は箱を抱えて歩いていた
簡単な恋をしていた
簡単な悩みもあった
け ....
俺は時計を持たない営業部員でつまり仕事ができない
もらい物の手帳に不明瞭な単語だけ書きつらねて
昼間を秋葉原で過ごし歌舞伎町に立ち寄ってとにかく帰ってくる
今日は何本のエロビデオを店に突っ込んだ ....
大きな家並み
さらさらと消えていく
小さいものは遠い
遠いものは小さい
当たり前のこと
当たり前のことなのだけれど
座席にまぁるく
またひとまわり
小さく白い母
毛繕いする風
瞼の ....