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そっといじけたような光でいる
まるくまるくなでられたいのに
そっぽをむいて目を閉じて
大きな花の実を食べている
ずっとむずがゆく思っている
ときどき次の次がほしくなる ....
道端の一本の木に
子どもが何百人も隠れていた
東の方から来たのだという
水がほしいというので
水をあげていたら明け方になった
狭い場所と
大きな音が嫌いだというので ....
雨の日 音は海辺を描いた
さまざまな色を塗り重ねた
色はどれも少なかった
月や花からわけてもらった
銀と灰
黒と金
もっといろいろ描けたのに
ずっと待ちくたびれていた ....
わたしは何かを見に来ていた
一匹の蝿
一羽の鳥
空は空に
海は海にひとつずつあり
遠くも近くも聞こえずに
陸へ陸へと近づいていた
ひとつがひとつのまわりをまわり
....
八月の背中を歩いていると
目の前で空気が寝返りをうち
その色にその場に立ちすくむ
秋のそばの道を歩いていると
水のようで水でないものが
いくつもむこうからやって ....
小さな部屋から
見上げた夜空に
架空の乗り物
架空の星座
笑みのように燃えては飛び交う
カーニバル
カーニバル コンテニュー
小さないのち
小さなかたち
散り急ぐ ....
見え隠れする明るい夜が
一羽一羽に分かれ飛び去る
壊れた家から波を見ていた
傾いだ家から曇を見ていた
鏡の道に葉は落ちて
緑の上に銀はひろがる
小さくざわめく音 ....
どうしようもなく空に向かい
わたしは
影を失くす
足の下を踏みしめ
家々をすぎ
すべてに接する崖へと至る
見えない花のわたしは
ひとつの大陸でできた楽器 ....