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夏のたかまりのなかで聴いた
あなたの魂の音は
秋のめざめのように
とても澄んでいた
世界のいちばん深いところで
ゆるされてる
そういう色を
していた
草色のゆめのなかに消えるために ....
またきたね、匂う夏が、
むせかえる、草叢のにおいのなかで、
ぼくらは、呼吸をする
過剰な、色彩の、
この、感情の、渦に、巻かれ、
色をもたない、ぼくらは、
草色に、染められてく
....
{引用=
あなたの胸に
耳をあて
わたしは
あなたの遠い過去を
あなたの遠いさざなみをきく
風に揺れる草や花
春の雨が黒く濡らす樹木たち
やわらかな若葉を しずくがつたうだろう
....
封筒のいのちが燃やされた朝
高い樹木は舌のかたちに風に揺れ
戦争に行ったままおとうさんは
還ってきませんでした
硬いあおぞらで何かが倒れます
夢の森はいまでも神聖なままですが
月だけが ....
見えない糸でんわで結ばれていても
青い微笑がしみわたる夜ですから
ともだちだけが変わってゆきます
無声音の言葉はみちにあふれ
生きる水位が青い
少女たちの
渋谷です
原石 ....
つめたいあおぞらの岸堤では、
薄色の私に関する波紋が水面で揺れていましたが、
十四歳の虚無にとって、ひややかな書籍など、
朝と草と自転車とほたるにすぎませんでした。
森をあまく満たすぶどうは音 ....