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林檎が地面に落ちるように
名前がきみに落ちてきたのか
それともきみが落ちたのか
兎にも角にも
もはや後戻りは出来ない(と、思う
柔らかな髪の一本一本に
小さな指の桜貝に
きみの名前が刻印 ....
空になった子宮は
痛みをともないながら
少しずつ
小さくなっていったけれど
物語はまだ
そこに残っている
気配がした
だれもが
語りたい と
思っていた
産むという行いは
ど ....
四ツに割ったリンゴを
庭の木の枝に刺しておく
この冬を越せますように
ヒヨドリたち
どうか無事に越せますように
海峡を越えていく鳥もあるという
敵に襲われぬよう波のうえ低く
群れ ....
海に
忘れ物をとりに行っているあいだに
植物はそろりそろりと
水を探して気根を伸ばしている気配
あなたは海辺をさまよいながら
まぶたの下から不安げにそれを視つめている
あばら骨が上下して呼 ....
少し甲高い おさないその声を
目を細めて 懐かしむ人がいて
はじめて
失われることに気づく
風はとどめてはおけないから
目を細めて 懐かしむ人に
自分を重ね 手を重ね
それでも 吹 ....
鳥の名前を覚えることから
始めようと思うの
と、その人は言った
たとえば、つばさを一瞬たたんで飛ぶ
あの鳥の名前を覚えたら
あの鳥はもう
見知らぬ鳥ではないでしょう?
さらりと雪 ....
雨上がりの庭に 光は柔らかに落ちて
ひとつの 足跡を照らす
くっきりと
けれども静かな 陰影で
飛ぶ鳥が
地上に触れていきました
生きることの重さを
自らの翼にの ....
生まれてはじめての雪に
子どもは小さな手を伸ばす
白い雪花をつかもうとする
指を開いても花はどこにもない
黒々とした丸い目が
さらに丸くなる
降る雪を
つかんではひらき、ひらいて ....
生暖かな風が吹き抜けてゆく
ようやく緑の穂をつけた
オーチャード・グラスが
ざわざわとざわめく
雨が降る
雲はまだ薄く
北の空には光が残っている
ふいに、蕗の葉が大きく翻って
....
ぽきりと
折れてしまいたい
木よ そう思わないか
冷たい 雨と風にさらされて
いつになれば
春は訪れるのだろう
折れて
倒れて
地に伏せば
今とは違う風景が見えるかもしれない
....
嘉野千尋さんの北野つづみさんおすすめリスト
(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
命名
-
北野つづ ...
自由詩
3
11-5-30
産む
-
北野つづ ...
自由詩
10+
10-11-27
祈り
-
北野つづ ...
自由詩
5
10-3-7
七月、あなたは海にいる
-
北野つづ ...
自由詩
2
09-10-7
創書日和「声」_声
-
北野つづ ...
自由詩
4*
08-10-8
名前を覚える
-
北野つづ ...
自由詩
11*
08-2-25
足跡
-
北野つづ ...
自由詩
2*
07-8-10
創書日和「雪」_初雪
-
北野つづ ...
自由詩
9*
07-1-13
雨を待つ
-
北野つづ ...
自由詩
8*
06-9-9
耐える
-
北野つづ ...
自由詩
7*
06-8-7
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