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薄く陽光がさしている
植物園では植物がよく育っている
今日は花が少ない、と言って
きみはラッパズイセンを植えている
母親に手を引かれた女の子が
しきりに言葉のようなもので何か話している
話 ....
犬の耳がわたしを駄目にする
駄目になったわたしは
大きな桃になって歩く
途中遠回りして
家族に小さな菓子を買った
今日はかけっこで一等になった
娘は得意げに話してくれたが
何メートル走か ....
糸であやつられたカイト
空をへんぽんと翻る
だが糸がなければ
凋落する
自由ではない
手に結ばれることによって
初めて自由になれるのだ
....
まだぼくはほんとうに人間を愛していないのかもしれない
ぼくはぼくのなかのぼくを愛しているだけなのかもしれない
ぼくはひとりのナルシストなのだろうか
ナルシストが時代の流行であった ....
灯油ファンヒーターを
いもうとがつけておいてくれた
ありがたかった
割れて 砕けて 裂けて 散る*
波がみたかった
マックでアイスコーヒー飲みながら
夜の海が見 ....
少年は貧しかった
少年は淋しかった
少年は孤独だった
父も母もエイズだった
少年に稼ぎはなかった
食べるものも
着るものもなかった
少年に運命などとい ....
俺を押しこめようとするな 俺を狭くするな
俺は到着したばかりの華麗なオタクちゃんだ グルグルパンチだ
昨日より少し大人しい犬の頭を撫でているのだ
こら そこのお前 おれを押し込めようとするな ....
僕たちが独りよがりだと信じて疑わないものは
多くの場合季節の風にさらされている
目や鼻や口
優しくしないでください、と懇願する未亡人の喪服に
しめやかな線香の香りがつく頃になると
....