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悪い子にはなれなかった
投げやりにほどいた長い髪を風になびかせ
夏雲が縺れあう丘の空の下
夢を{ルビ歪=ひず}ませて
立ち尽くしていただけ

「君」がきっと街からここまでさがしに来てくれる ....
誰もいなくなったプラネタリウムの
暗いドームの下
まるで其処が聖堂ででもあるかのように
ひざまづいて祈る影がある

何を何故祈るのか
誰にも知られることなく
ひとりきり目を閉じて
長い ....
光源のない白い光に満ちた中を
球や三角錐や立方体の闇が
行進する

思考線をよぎる空中魚族

(この椅子に坐るといつも
 感応しようとしすぎてneuroticになるんだ)

その視軸 ....
把みきれない現実に
心が過剰で収拾がつけられない
はみ出してゆく言葉たちが
僕を取り囲む時空に傷をつけてゆく
瞳はいつも怯えたように見開かれてしまう
何故対峙してしまうのだろう
何故融合で ....
そのはじまりからすでに
鋭く亡びに縁取られているのが夏で
青空と陽射しがどれほどあかるくても
そのあかるささえ不穏なのが夏で

蝉が鳴き騒いでも
祭の喧噪が渦巻いても
濃密な静寂が深々と ....
いつまでもそうやって
ガラスの風船で遊んでおいで
僕はもう青い月を抱いて
眠ってしまうから
夜がやってきて空気の色が
こわくなってきてもずっとそこでそうやって
遊んでおいで

箱庭のよ ....
たちばなまことさんの塔野夏子さんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
丘の空- 塔野夏子自由詩8*05-7-17
沈黙の星座- 塔野夏子自由詩6*05-7-7
misanthropy- 塔野夏子自由詩8*05-6-29
scratches- 塔野夏子自由詩8*05-5-31
夏について- 塔野夏子自由詩26*05-5-23
ガラスの風船- 塔野夏子自由詩4*05-4-25

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