すべてのおすすめ
白鷺の羽音の通り過ぎるその、揺らぎ
一面の青葉、その遠くで駆ける声、という声
ここにきて姉は心から、静かに千切れてしまった
さあ行こう、にも飛ぶための脚は足りず
退こうにも継ぎ足す、言葉も無く ....
遮らない丘
ひとつを声に出してみれば
心音
と、一日の間で生れ落ちていくもののような
確かな揺らぎを伴った答えが
僕らの間には流れ込んでいる
広い、広い丘
両手を広げれば満ち足りていくよ ....
その広い丘にはドアがあって
朽ちかけたドアだけが、ひとつ、あって
その横で佇んでいる、家族だった影が
心を裏返すほどにゆるしたかったものは
自分たちだけ
だった

 ドアを開けると道が広 ....
思いのほか簡潔な物語の夢が
字幕付きで流れていくのを見送って
目が覚める
昨夜の手紙はまだ届かないようで
筆の跡は今日も乾かない

ささやかな足音で
捨てに行きます
思い出に引っ掛った ....
静かに窓を閉じる
終わってしまった映画の後で
部屋の明かりを静かに閉じると
空間が水の中に満ちたようになる

溺れてしまうと、答えは出るだろうか
息継ぎをすれば、漏れてしまうだろうか

 ....
ポイントは、スロウ

誰かが間違ったとか、テレビが吐き出しているけれど
それが本当かどうかなんて誰にも、分からなくて
無駄なものを省いてきた、そんなつもりの生き方だけれど
結局何も捨て切れて ....
それはもう私の中で始まっていますか
とか、君は問いかけて
僕は聞いてない振りをしながら
大きく頷いたりする

海へ突き出した街へ向かう電車は
青い車体に、菜の花が描かれていたりして
最近 ....
刈り取られた
花々は暮れようにも
暮れられず
風が吹くのを待ちながら
やがて、
朝になります


  いつか風、のように
広げた両腕は冷たい、思い出となりますが
 その内、に抱えた ....
春が過ぎた
それから
君たちの後ろには羽が生えて
彼女のいた屋根の
あの群生の上を越えていった

それから、と区切って
何を始められたか、と問われれば


並木の色合いは変わらない ....
まあるく、まるくこの上を行く飛行船は四番目の空で
黄色や青に染まってみせながら、天井を越えていく
抱き寄せた僕の中では、懐かしい声が響いて
どうでもいいはずの、無駄な筆先が描く線でさえも

 ....
ちり、ちりり、と
細く凍える氷の心音を
耳元に押し当てながら私は
グラス越しの揺れる景色を
手繰るように眺めていた春でした

くわん、と
頭の、奥の
くわんと鳴るところが私の
大きな ....
実感
いつまで経ってもこの指には絡まない
終わる素振りを見せない工事現場が
点滅する、光を放って街の一部になる
もう、戻れないところまで来ているらしい
この指には何も、絡まないけれど

 ....
指先はあたたかい
たぶん、その、ほどけていく瞬間まで
写真の空は記憶よりも鮮やかで
古い団地の隙間から
見上げるのはたくさんの
呼吸のない、窓

手のひらに
折りたたんだ空
に、記載 ....
指先で辿るだけのものにも
どこかに意味はあったのだ
そう気付かせてくれる君たちの声は
どこまでも、仄かに明るい
埃を被ったままの本の
隙間を捲る指の順番から
繋がっていくものがある
体温 ....
なので、
朝食にはレモンを選びました。
細い腕で積荷を忘れられず撫でる、
あなたにはぴったりだと思うのですが。



 あどけない思い出は、見ない振りで通り過ぎ
 ることを許してくれな ....
静かな森に
命の眠っていく音が響いて
今日、一日の心音の数を
手のひら一杯に数えて
それを大きく
飲み込むように

明日へ繰り越すための挨拶をすると
その分だけ誰かが、ほどけていく
 ....
何を思い出せば
幸せになれるというのだろう


始まりは
遠い海の底の夢でした
船底を擦るようにして
人は、人は旅に出て行くので
いつか大きな音を立てて
傾いていく私たちのために
 ....
そのように、生きてみたいと願う
いつまでも二階より上の景色に臨めなくても
遠い車窓に同じ肩幅で揺れているだけだとしても


ノイズ混じりのカーラジオの表面に
透き通らない感情を混ぜている
 ....
雨がまた積もっていく
雨音がまた積もっていく
その分だけここは、静かになれる
抱き合うだけの幅を残して

昔の夢のかたちを探り合う
窓を伝う雨粒の落ちる、速さ
遠退いた距離の分だけ、今の ....
足音が
大勢の中に還っていく時
遠くで自転車は雨音の中に忘れられている

少年が
少年のままで頭を下げながら生きていく
そんな時々、あれは私たちが作り上げた
屋根や壁や、縁の無い窓
遥 ....
滴が。
朝の、


窓枠を二つに分けるようにして落ちていく。
今も手を伸ばせば壊れてしまいそうな足跡。
遠くなっていく風景写真をいつも隣に置いている。
あの日、行方知れずの人が今も笑いか ....
強く願ったはずのことを
もう、忘れてしまっている
一年前の自分たちを窓から次々に捨てると
とても身軽になれることを知った
ポケットを裏返しても、もう
何も出てこない
ささくれがどこかに引っ ....
いつの間にか
とは言っても気付いてはいるし
知っていることと、そうでないこととの狭間で
見えているものは見えている

遠天
空が遠くなった
うつむいて歩いても、どこかで触れているような気 ....
その言葉を初めて聞いたのは、
まだ、あなたの海にいた頃。
大きすぎる手のひらを隠そうともせず、
揺られる海の深さを世界と思っていた頃。
右へ。聞こえる、聞こえています。
右へ。手のひらを。ぐ ....
覚えているでしょうか
始まりはとても深い海の底
それよりも少しだけ明るい窓辺の椅子
の上に、小さい体を完璧な球体に近づけようとして
息を止めていた、午後の

そこでは、君と出会った

 ....
三ヶ月で始まりから辞めていく
そんな僕らはどこかが壊れているらしくて
東京の角という角を、折り合わせるようにして
閉じていく
手のひらは合わせるためにある
僕らは壊れているらしい
継ぎ接ぎ ....
優しく、なりたい

暖かい部屋でうずくまると
人たちの裏側が透けて見える
思うほどには
複雑に出来ていないのかもしれない


優しくなりたい

おはようと言うように
季節を捲って ....
ただいま
と、呼べる場所をいつもこの手の中に持っている
気付かないほどに当たり前の鼓動の中にいる
夜更けへ向けて風速は加速し続けている


明日を見渡したいから、と
君は潜望鏡を買ってき ....
砂糖が乾いていく
あるいは溶けていく
運ばれていく
最初からそこにはなかった
かもしれない
舞う風、の風上
私はただ口を開けて
私の中を乾かすことを止めようとしない

追い掛けること ....
想像して
君はよくそう言うけれど
実際のところ僕は、何も思い出せずにいる
海沿いの寂しい国道を夕暮れに倣って左に折れると
何もない町があるのか
君の住む町があるのか
もう、どこにも行けない ....
LEOさんの霜天さんおすすめリスト(65)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
今も遠くの風が吹いている- 霜天自由詩607-7-16
駆ける丘- 霜天自由詩807-6-29
停留所家族- 霜天自由詩707-6-24
公園- 霜天自由詩207-5-24
フォルティッシモ- 霜天自由詩607-5-13
アンダンテ- 霜天自由詩1107-5-13
ピアニッシモ- 霜天自由詩607-5-13
散在する、朝- 霜天自由詩1007-4-30
葉桜の後に- 霜天自由詩807-4-24
飛行船四号- 霜天自由詩707-4-12
- 霜天自由詩807-4-8
郷愁- 霜天自由詩707-3-25
微温湯日和- 霜天自由詩607-3-4
形状- 霜天自由詩607-2-26
食卓- 霜天自由詩1007-2-13
静かな森に- 霜天自由詩707-2-5
船底- 霜天自由詩1607-1-29
家族(時速50キロの)- 霜天自由詩807-1-25
落ちる速さ- 霜天自由詩6+07-1-20
時々- 霜天自由詩1207-1-15
あの日、行方知れずの- 霜天自由詩1207-1-14
式典- 霜天自由詩1107-1-4
遠天- 霜天自由詩1007-1-3
右へ- 霜天自由詩706-12-18
群生- 霜天自由詩1306-10-29
ビターチョコレート- 霜天自由詩806-10-20
季節記号- 霜天自由詩706-10-1
潜望鏡- 霜天自由詩806-9-13
舞う風- 霜天自由詩806-9-11
名付け- 霜天自由詩1106-9-3

Home 次へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する