すべてのおすすめ
風は無い
私と
あなたのすき間には
いくつもの
透明な夜が並んでいる
わたしはマッチを擦る
あなたに語る言葉を
探すために
わたしとあなたが
共にいた時間を
つなぎ合わ ....
もう少しで
ぼくは
ぼくについての無知が
分かりそうな
気がするので
暗やみの中
きみを裸にする
不完全なきみが
ぼくを見ている
不完全なぼくの
わずかな感 ....
死にゆく蝉の声で起こされて
夏と寝ていたと気づかされる
まどろむ意識の中で
シーツに潜む
残り香を探す
枕の隅に
鼻を押し当てる姿は誰にも
見つかることはなく
....