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牡丹雪の日は君を迎えに行く
傘は持ってゆかない
いつだって
君は雪を掴もうと傘を飛び出してゆくから
町の街灯の下で
やさしい君が待っている
ひっそりと
ゆるやかな呼吸をしながら私を待 ....
朝起きたら
郵便受けが手紙を{ルビ銜=くわ}えていた
切手はないのに消印はある
宛名はあるのに差出人がない
ちぐはぐな手紙
開けてみると光が入っていた
光はみるみるうちに封筒から出 ....
幼い妹の髪を結いながら
長い髪を結いながら
きっとこの髪は
風に{ルビ凪=な}がれて
哀しみを絡みつけているんだろうなぁ
なんて思う
それでもあんまり
真っ直ぐしているから
私には ....
十五夜のお月さまがあんまり綺麗だからと{ルビ託=かこつ}けて
不眠症の私は
窓を開け放して月を眺めていました
この夜は よく澄んだ涼しい夜で
遮るものもなくて
惜しげもなく
私に光を浴びせ ....